NPO団体が女性活躍と複業を推進し ロールモデルを輩出

パラレルキャリア推進委員会は、「女性活躍推進」と「複業推進」をミッションに掲げ、パラレルキャリア(複業)で働く女性の活躍を応援するNPO団体だ。活動に込めた思いとその実践、さらには万博への期待について、代表の美宝れいこ氏に聞いた。

聞き手 : 小宮 信彦 事業構想大学院大学特任教授 電通 ソリューション・デザイン局 2025事業推進グループ統括 チーフ・ビジネス共創ディレクター

まずは自分に自信を持つことから

小宮 パラレルキャリア推進委員会を設立した経緯について教えてください。

美宝 会社員をしていた33歳の時に母が亡くなったことが、働き方を見直すきっかけになりました。自分が好きなことを複業にするために、2年ほど資格取得に走りました。自信がなかったんですね。35歳の時に会社員をしながら副業でアロマサロンを開業しました。自分も何かしてみたいという女性たちから相談を受けるうちにキャリア支援のセミナー、スクールを作ろうと思い立ち、37歳で独立。パラレルキャリア実現委員会というコミュニティを立ち上げ、それをさらに発展させて2019年にパラレルキャリア推進委員会®を設立しました。

美宝 れいこ パラレルキャリア推進委員会 代表

小宮 まだパラレルキャリア(複業)という考え方が一般的ではない頃からご自身が実践されていたんですね。なぜそのようなコミュニティを作ろうと思い立ったのでしょうか。

美宝 仕事に就く女性が増え、女性の社会進出は実現できていると思うのですが、男性との賃金格差は埋まっていませんし、女性の管理職割合も低いままで、まだまだ活躍できているとは言えません。理由はいろいろあると思いますが、要因の一つは、自分に自信が持てないことだと思っています。女性はスキルアップに意欲的なのにそれを発揮して活かす場所がないんです。

それならば、その場所を作ろうと思ったのが設立のきっかけです。テーマは女性の活躍と複業の推進。先ずは本業以外にプロボノなどでスキルやキャリアを社会で活かすところから始め、自信をつけてから複業に挑戦できる後押しができればと考えました。現在のメンバーは2500人を超え、うち起業家が4割、複業をしている人が3割で、残り3割がこれから複業を考えている会社員です。

111人のリーダーが
ロールモデルに

小宮 現在はどのような活動をされているのですか。

美宝 コミュニティ、スクール、プロダクションの三つです。コミュニティは「学び×つながり×挑戦」というテーマを掲げています。オンラインでの活動が中心で、全国、海外に5つの支部があり、そのほか仕事や趣味を軸にしたオンライン部活もあります。それぞれにリーダーがいて、勉強会や交流会などを開催しています。

 

対面でのセミナーやイベントも開催していたが、現在はオンラインがメイン

スクールでは、企業でリーダーを目指す人向けのリカレントコースと、複業・起業を目指すためのコースがあります。例えば複業コースの場合、自分の棚卸しから始め、強みを発掘し、それを起業、複業につなげるべくSNSマーケティングを行うところまでを体系化したカリキュラムになっています。さらに、活躍の場として企業や自治体からプロジェクト単位で依頼された案件をメンバーにつなぐのがプロダクション機能です。企業から商品のプロモーションや女性向けアプリ開発の企画などを請け負い、メンバーに投げかけます。他には、企業からスポンサーを募る営業企画室、雑誌を発行する雑誌編集室などもあり、基本的な運営はすべてプロボノでやっています。

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