「伝わる」を科学する 急成長スタートアップ・コミュニケーションの極意

新たなビジネスを構想し、世に問うスタートアップ。しかし、革新的なプロダクトや熱い想いがあっても、その価値を社会に「伝わる」形で届けなければ、成長は鈍化します。急成長の鍵を握るのは、戦略的なコミュニケーション。社会構想大学院大学・コミュニケーションデザイン研究科の佐藤直樹客員教授が、その極意を語る。

スタートアップ・コミュニケーションの役割と重要性
―まず佐藤先生のこれまでのご経験と、スタートアップのコミュニケーションについてお考えをお聞かせください。

新卒で入社した大和総研では、経営企画や広報を担当し、広報が企業戦略の重要な一部であることを学びました。その後スタートアップに転職した際、非常に優れたプロダクトや熱意を持つ経営者がいるにもかかわらず、その情報が社会にうまく伝わっていない現状を目の当たりにしました。この課題を解決したいという想いから、PR・広報支援会社「PRAS(プラス)」を創業しました。 スタートアップにおけるコミュニケーションは、単なる情報発信ではなく、企業の生存戦略であると考えています。

スタートアップは自らの存在意義や提供価値を社会に伝えなければ、成長することができません。特に、経営資源のヒト・モノ・カネ・情報が限られたスタートアップにとっては、広報戦略と経営戦略を連動させることが不可欠です。

例えば、採用方針に合わせて広報で企業文化を打ち出したり、資金調達のタイミングに合わせて戦略的なコミュニケーションプランを立てたりすることで、広報活動が企業の成長に直接貢献します。広報は「伝えて終わり」ではなく、その情報が最終的に企業の売上や採用、資金調達といった成果にどうつながるかまで見据えることが重要です。
 
 資金調達に直結する戦略的PR
 ―資金調達がスタートアップの成長に不可欠な中、VCとのコミュニケーションやプレスリリースの極意について教えてください。

   資金調達はスタートアップにとって最大のイベントの一つであり、その際のコミュニケーション戦略は非常に重要です。まず、VC(ベンチャーキャピタル)とのコミュニケーションにおいては、

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