2021年3月号
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地域経営の新機軸

時事テーマから斬る地域経営 「関係人口」の注意点

牧瀬 稔(社会情報大学院大学 特任教授)

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近年、「関係人口」という言葉を頻繁に耳にするようになった。定住ではないものの、特定の地域と継続的な関係を持つ人口を意味し、これを増やすべく、今多くの地方自治体が様々な取り組みを始めている。どのような関係人口を獲得すれば、地域活性化につなげることができるのだろうか。

現在、第2期地方創生が進められている。第2期の地方創生では、国は新たな視点として「関係人口」を重視している。関係人口とは、観光で地域を訪れる「交流人口」と、長期的に住む「定住人口」の中間的な概念である。特定の地域と継続的につながりを持つ人口を意味する。今回は「関係人口」を検討する。

関係人口施策の現状

2018年から総務省は「「関係人口創出・拡大事業」モデル事情」を実施している。総務省の強い「推し」もあり、関係人口という概念が急速に地方自治体の中に浸透してきた。

ちなみに、以前から現場では「応援人口」という言葉があった(筆者の周りではあった)。応援人口とは「当該地域や地方自治体を応援したい人口」である。また国土交通省は協働人口という概念を用意していた(「新たな「国土のグランドデザイン」」)。協働人口とは「地域や地方自治体の多様な主体と一緒に地域づくりをする人口」である。応援人口も協働人口も「当該自治体のファン」と捉えることができる。これらの概念は、関係人口に類似している。

地方自治体の関係人口施策は、一般社団法人地方行財政調査会のアンケート調査が参考になる。同調査は2019年12月19日から2020年1月19日にかけて、全815市を対象に実施し、632団体から回答を得た(回答率77.5%)。

関係人口に関する取り組みの状況は「実施している」が262団体であった(41.4%)。「実施し、かつ別の事業を検討している」が17団体である(2.7%)。すなわち、既に関係人口施策を実施済みは、279団体となっている(44.1%)。多くの自治体が関係人口の創出に取り組んでいることが理解できる。

同調査会は、2017年にも同様のアンケート調査を実施している(回答率81.6%)。2017年調査では「実施している」が189団体であり、「実施し、かつ別の事業を検討している」は13団体であり、合計202団体であった。今回の調査結果と比較すると、2年間で関係人口施策を実施している自治体が77団体も増加したことになる(回答率が異なるため一概に言えないが、確実に増加している傾向は間違いない)。

同調査は「実施に向け検討している」が49団体であった(7.8%)。現在、多くの地方自治体が関係人口施策を実施しており、かつ今後しばらくは増加していくことが予測される。

図表1は関係人口に関する施策の例示である(各団体のホームページから抽出した)。図表1は情報提供の意味がある。

図表1 関係人口に関する施策(例示)

出典:各ホームページから筆者作成

 

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