2020年9月号
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後継者が挑む 新事業のつくり方

ベンチャー型事業承継 全国のアトツギが挑戦へ動き出す

山野 千枝(ベンチャー型事業承継 代表理事)

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家業を継ぐ若い世代が減り、経営者の高齢化からの廃業増は、産業の弱体化につながると危惧されている。家業の経営資源から新ビジネスを作り出し、社会に新しい価値をもたらす若い経営者を増やすため、ベンチャー型事業承継ではオンラインサロンやメンタリングによる成長の機会を提供している。

2018年6月に設立された「一般社団法人ベンチャー型事業承継」は、家業を継いだり、継ぐ準備をしている若い後継者が、新しい事業をつくるための学びの場を提供してきた。34歳までの「アトツギ」の会員数は現在、300人ほど。大阪・東京など大都市圏を中心に、全国から参加者が集まっている。

「親の代から承継する事業は、ほぼ100%レガシー産業で、しがらみがあったり新しいことに挑戦しにくかったりする。一方で、社会は大きく変化している。このままではあと10年もたないという健全な危機感を持って、家業を社会に必要とされるよう変えていこうという若い後継者が多く参加しています」と、同法人代表理事の山野千枝氏は話す。

山野 千枝 一般社団法人ベンチャー型事業承継 代表理事

少子高齢社会の中、企業経営者の高齢化は進んでいる。事業を承継する際に、オーナー社長がまず考えるのは、親族への承継だ。幼少期から親が働いている姿を見、ぼんやりと家業の承継を考えている子どもは多い。しかし、当事者意識を持ち、覚悟を決めて家業に取り組む後継者は割合としては少数派だと山野氏は指摘する。

「数は少ないがアクションを起こし、新しいサービスや製品を生み出している後継者の存在を世に広め、それに触発されて動き出す後継者を全国で増やしたい」。実際に、ベンチャー型事業承継に参加している後継者は、新しい製品やサービスを生み出そうという意志が強い、まじめで前向きな人が多いという。

事業を承継した後も、親の代からのビジネスを継続し、新規事業に取り組まない理由はいくらでも考えられる。例えば人口が少ない地方の企業である、規模が小さい、そして若手の人材不足に苦しんでいる、などだ。ベンチャー型事業承継のオンラインサロンでは、各地の様々な規模の事業を承継した後継者が、自身の事業の構想や新規事業への取組などの体験を共有するため、言い訳ではなく障害を乗り越える方法を考える方に意識が向くようになる。「先輩の経営者がメンターとして参加し、体験をシェアしていただきます。最終的な決断を下すのはそれぞれのアトツギ自身。しかしこのような環境にいることで、勝手に頼もしく育っていくのです」と山野氏はいう。

オンラインサロンに入れるのは、34歳になるまで。若いアトツギが家業の経営資源を使った新規事業を考える。先輩の後継者もメンターとして加わり、経験をシェアする。コロナ前には、イベントやオフラインミーティングを各地で開催していた

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