2020年9月号
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後継者が挑む 新事業のつくり方

高い倫理観が求められる時代に ミズノの「3つのK」への取り組み

水野 正人(ミズノ 相談役会長)

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家業を父から受け継ぎ、弟である現社長へのバトンタッチも行ったミズノ相談役会長の水野正人氏。気候変動の影響とみられる集中豪雨などの異常気象で、人類の存続が脅かされる中、水野氏は今後の企業経営では高い倫理観が重要になるとみている。

水野 正人(ミズノ相談役会長)

親から自身、弟への事業承継

――先代から、そして次代への事業承継を経験されています。承継者は、どのようなことに配慮すべきでしょうか。

水野 例えば、親子の場合は小さい頃からの関係が大事だと思います。親子の間では会話がとても直接的になるのが普通で、それによって軋轢のようなものが生まれてしまいます。

実は私も生意気に、父が行うことを「古臭い」と感じ、「おかしい」と言って空気が悪くなったこともありました。しかし、ある時、父が言ったことに対し、何気なく「そうだね」と同意した途端、父にホッとしたようなムードが生まれたのです。その後は、落ち着いてから色々な話をすれば、スムーズに話ができるとわかりました。

このように親子の間でも、子どもはまず同意することで、良いコミュニケーションができるようになると思います。事業承継には親子間だけでなく様々な形があり、すべてについて私が一般的に申し上げる知識はありませんが、親子で言えば、まずは良いコミュニケーションを作ることが大切です。その基本は、後を受けるものが、まずは先代の言うことを認めることだと思います。

私は兵庫県芦屋市に生まれ、創業者の祖父は、男の初孫である私をすごく可愛がってくれました。そして、「跡継ぎだから色々な経験をしなさい」ということもあり、事業承継への道は自然に形作られたと思います。父は私が副社長を務めた時代から、ある程度のことを言うと、後は私に任せてくれました。そして、まもなく私が跡をつぐという自然な流れになり、スムーズに承継できたと思います。

また、私が社長を退いて弟に後を頼んでからは、私が言うことは何もないと思っています。兄弟なので、特に二頭政治になってはいけないという気持ちがあります。私は弟と色々話しをしますが、社員の前で「こうせよ、ああせよ」などは言いません。

私が社長を務めた時代はバブルの真っ只中で、私たちはいくつもの事業を立ち上げ、すべて失敗しました。時代が浮かれていて、十分な準備もせずに色々始めたのが失敗につながったのです。その失敗の責任を取り、会社を元の状態に戻すことが私の責務で、まずはそれを懸命にやりました。そして、ある程度の形になった頃に、私はオリンピック招致の仕事に関わるようになり、自分はそちらに集中し、社業は弟に任せることにしたのです。

 

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