ベスト電器、地域に寄り添う「生活提案型企業」へ

家電量販業界を取り巻く環境は、技術革新や競争の激化により厳しさを増している。九州をベースとして、1979年から18年間にわたり業界シェアトップを誇っていたベスト電器。創業当時からお客様第一の精神を忘れず、時代に応じて様々な戦略を描き、常に進化を続けている。

小野 浩司(ベスト電器 代表取締役社長)

九州を基盤として、家庭用電化製品の小売業を手掛けるベスト電器(本社:福岡市)。現在、直営店・フランチャイズ店をあわせて国内に310店舗、国外3カ国に47店舗を展開している。その歴史は、1953年に倉庫業を目的として設立された九州機材倉庫から始まる。

アウトレット博多店

業界トップで海外にも進出
資本業務提携で再スタート

九州機材倉庫の設立から3年後、天神にある現在の福岡本店で家電の販売をスタート。「ベスト電器」として地域密着型のフランチャイズシステムを導入すると、1979年度から1996年度まで18年の長きにわたり、家電量販店として日本で業界シェアナンバーワンの座を守り続けた。1985年には、ヤオハンと提携して初の海外進出を果たし、シンガポール店をオープン。日本の家電量販店としては早い時期から海外事業にも力を入れてきた。

しかし、ヤマダ電機やコジマ、ケーズデンキなどの全国展開により、業界の競争が激化。2012年にヤマダ電機と資本業務提携を結び、2017年には上場を廃止して完全子会社となった。

そんな激動のさなか、2010年から代表取締役として陣頭指揮を執っているのが小野社長だ。「大学生の頃にベスト電器でアルバイトをしていたことがきっかけで入社したんですよ」とにこやかに話す小野社長は、"現場主義で、お客様と社員の気持ちに寄り添うトップ"と評されている。

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