気鋭の建築家が語る「日本ならでは」の創発の場のつくりかた
アイデアが溢れ、社内外との共創が行われるワークスペースづくりは、多くの企業が取り組むテーマだが、実現は容易ではない。数多くのイノベーションセンターを設計する建築家の小堀哲夫氏に話を聞いた。
イノベーションを起こすためには「共創」が必要だということは、広く知れ渡っている。しかし、経営者が社員に向かって「共創してほしい」と指示したところで、それがスムーズに始まるわけではない。
いま、イノベーションを求める企業は、社内外の人々が自然に交流し、アイデアが湧き出るような「場づくり」に力を入れている。こうした動きのなかで、従来の定型化したデザインから離れたユニークなオフィスや研究開発施設が登場し始めている。
この流れでいま注目を集めているのが、小堀哲夫建築設計事務所の小堀哲夫氏だ。小堀氏は今年、日本の建築史上初めて、日本を代表する2つの建築賞、日本建築学会が設けている「日本建築学会賞」と日本建築家協会(JIA)が設けている「JIA日本建築大賞」を同年内にダブル受賞した。
受賞したのは、浜松市の自動車エンジン用のフィルターなどの開発・製造を行うROKIの研究開発棟「ROKIGlobal Innovation Center ‒ROGIC‒」。2013年に竣工したこのセンターは、天竜川に面した小高い丘の上に位置する延べ床面積約4500平方メートルの建物で、自社製フィルターでドーム状の屋根を覆っている。フィルターを通して天気や空模様の変化を感じられるほか、風も取り込むデザインで、小堀氏はこれを「自然を包み込んだテントのような、大きなワンルーム」と表す。
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