2014年11月号
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新事業を生む思考ツール

サービスデザイン 欧州発の新しい事業開発手法

サービスデザイン

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欧州発祥の「サービスデザイン」という新しい事業開発の手法が注目されている。製品や事業の価値を「サービス」という視点に立って再設計するもので、2013年にはサービスデザイン国際組織の日本支部が立ち上がり、盛り上がりを見せる。

ビルギット・マーガー氏は、サービスを「価値提供のための複雑系」と表現する(SDN Japan Conference 2014)

あらゆるビジネスをサービスとして再定義する

サービスデザインとは、ユーザーが感じる体験価値を重視して、サービスそのもの(タッチポイント)のデザインにとどまらず、事業全体を再設計するプロセスを指す。

「サービス」というと飲食店や小売業を思い浮かべるだろう。しかしサービスデザインにおいては、サービス産業や製造業などを区分せず、あらゆる事業活動を「サービス」として捉える。

近年、消費者は機能ではなく価値で商品を選ぶようになり、従来の技術積み上げ型の商品開発が限界を迎えている。例えば自動車は、それ自体の性能に対する消費者の興味は薄れ、カーシェアリングなど「いかに便利に使うか」「ライフスタイルがどう豊かに変わるか」という体験価値に興味が移ってきた。

そこで注目を集めているのが、デザイン思考(人間中心設計)であり、サービスデザインである。デザイン思考はクリエイティブなアプローチを意匠分野だけでなく開発全般に組み込むことで、ユーザーの価値観によりそった商品をつくる。

デザイン思考から派生したサービスデザインは、機能をユーザーにそのまま与えるのではなく、ユーザーが求める「サービス」として提供する、より広範囲にわたるプロセスだ。これはモノ、ユーザー、場所などを含めたシステム(事業、組織)全体をデザインする大手術であり、だからこそ効果が高く、注目を集めている。

サービスデザインはヨーロッパで発展し、企業の新規事業創出で多くの事例がある。2004年には大学やデザイン会社が、その研究と普及を目的とするService Design Networkを設立。日本でも2013年、SDN日本支部が立ち上がり、コンセントの長谷川敦士代表取締役が代表を務めている。9月には日本で、SDN創設者で本部代表のビルギット・マーガー氏(Koln International School of Design教授)らを招き、SDN Japan Conference 2014が開催された。

企業とユーザーの共創

サービスデザインのプロセスは、ユーザーに共感するところから始まり、既存サービスの問題点の抽出、解決策の検討、プロトタイピング、その評価というデザイン思考の手法にのっとっている。書籍「This is Service Design Thinking」では、次にあげる5つが基本原則として示されている。

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