障がい者や高齢者に普遍的ニーズを発見 インクルーシブデザイン
イノベーションを起こすための発想法や、アイデアを具現化する際のリサーチツールは数多く存在し、正解はひとつではない。本連載では、そのさまざまな手段を紹介していく。第一回は、極端ユーザーから見えないニーズを探る「インクルーシブデザイン」。
高齢者や障がい者を観察し普遍的ニーズを発見する
イギリス発祥のインクルーシブデザイン(ID)は、高齢者や障がい者、外国人など、従来はデザインプロセス、ビジネスプロセスから除外されてきた人々を、プロセスの上流から巻き込むデザイン手法を指す。
「IDにおいては、高齢者や障がい者などを『リードユーザー』、つまり未来を見せてくれる人と表現します。例えば最近ようやく普及してきた電子書籍も、視覚障がい者の間では20年前から一般的な商品でした」と、IDのコンサルティングや導入支援を手がける、インクルーシブデザイン・ソリューションズ社長の井坂智博氏は言う。
井坂氏はリクルートを経て、ダイアログ・イン・ザ・ダーク(暗闇のワークショップ、視覚障がい者がアテンドする)の経営支援などに携わってきた。こうした経験をもとに、2012年にIDの導入支援会社を設立した。
「平均的なユーザーからは、もはやニーズを捉えきれません。これは日本の家電を見ても明らかでしょう。ある韓国企業は、1日1ドル以下で生活する人たちと技術者が一緒に暮らし、停電頻発エリアでも使えるバッテリー付きエアコンを開発しました。リードユーザー観察からは、健常者が気付かないような潜在ニーズを発見できることがあります」
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