世界中から人が集まる創造都市に
東京と名古屋のほぼ中間に位置する静岡市。通過都市から脱却し、人々が集まり交流する都市を目指して、シティプロモーションや地域ブランド育成に力を注ぐ。田辺信宏市長に戦略を聞いた。
──総合計画の中では、静岡市の集客力向上を強く打ち出しています。
静岡市には年間2500万人の観光入込客があります。しかしこのうち、1泊以上滞在するのは150万人、わずか6%です。金沢市は32%、札幌市は47%であることを考えると、極めて少ない数です。
なぜ静岡市は通過都市になってしまったのか。東京や名古屋から近いという理由もありますが、それだけではないはずです。戦略的なシティプロモーションと魅力ある静岡ブランドの確立に、行政と民間が密接に連携して取り組む必要があります。
─具体的な取り組みは。
ひとつは積極的なMICE(国際会議や展示会など)の推進です。この大きな成果として、国際連合の軍縮会議の誘致に成功しました。今年1月に富士山を望む日本平ホテルで開かれた会議にあわせて、市内各地で平和・国際交流イベントを開催し、ホスピタリティの高さを感じて頂けたと思います。来年には静岡市で初めて、日本陸連公認コースでのフルマラソン大会が開かれます。
海外からの集客に向けて、富士山静岡空港の就航先である韓国や台湾で重点的にプロモーションを行っています。
豊かな自然を誇る奥静岡エリアの「オクシズ」ブランド発信、静岡市出身の漫画家さくらももこさんのイラストを使用した「静岡市はいいねぇキャンペーン」など、さまざまな事業に取り組んでいます。
富士山の世界遺産登録に伴い、構成資産に登録された三保の松原は、8-9月の観光客が大幅に増えました。盛り上がりを一瞬で終わらせず、持続させることが大切です。松の保全や観光客向け施設の整備を早急に進めていきます。
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