2013年12月号
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上場企業100社が狙う新規事業

M&A対決 孫正義vs三木谷浩史

小林謙二(税理士・文教大学国際学部講師)

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近年、大型のM&Aが相次いでいる。なかでも、ソフトバンクや楽天などのネット企業は、M&Aを成長戦略の重要な柱に掲げて積極的に展開。
その手法や成否を分けるポイントを考察する。

「アベノミクスが軌道に乗り始め、円安・株高を背景に景気が回復の兆しを見せています。企業の業績が改善し、今後、M&Aが活発化するのは間違いないでしょう」

小林謙二
税理士・文教大学国際学部講師

税理士・文教大学国際学部講師の小林謙二氏は、M&Aをめぐる市場環境が整ったことで、企業の買収と合併によって、経済が活性化すると期待を込める。一方で、ブームに乗ってやみくもに買収に走るような戦略なきM&Aは、失敗に終わると警鐘を鳴らす。

「事前に自社の事業戦略との整合性を十分に検討し、相乗効果を検証することが最優先課題です。M&Aが企業価値の増大に結びつくかどうか、しっかりと見極めることが重要になります」

そうした戦略的なM&Aによって、飛躍的に売上げを伸ばしてきた代表企業が、ソフトバンクと楽天だ。

「集中化」と「多極化」の方向性

2社のM&A戦略・手法には、いくつかの共通点と相違点がある。

共通点の一つは、自社のビジョンや目標の達成に向けた創業者の強い思い、確固たる経営理念があることだ。

「ソフトバンクは情報革命の志を大きな次元で追求するため、楽天は世界一のインターネットのサービス企業を目指すため、それぞれ事業拡大の方向性を明確に示しています。ブレない軸をもって、両社ともM&Aを行っています」と小林氏は評する。

しかし手法の違いに目を向ければ、2社は相反する戦略がとられている。

ソフトバンクの手法は、ボーダフォンや米携帯電話大手スプリントを買収するなど、中核事業の強化に向けた買収に集中する「集中化戦略」といえる。中核事業である移動体通信は、売上げの実に6割以上を占める。この手法は、さまざまな分野で多様化を図るよりも採算性に優れ、スケールメリットを発揮しやすい。

このようにソフトバンクの大型買収には、奇をてらったような投資先は少ない。その特徴は、巨額の借金をしてでも買収する金額の大きさにある。経営トップにリスクを引き受ける覚悟があり、退路を断った決断を下すことで飛躍的な成長を遂げてきたのだ。

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