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ふるさと納税の地域経済効果分析 域内雇用者所得は最大767億円に

月刊事業構想編集部(2018/12/7)

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さとふる(東京都中央区)と事業構想大学院大学による「ふるさと納税・地方創生研究会」と一般社団法人持続可能な地域社会総合研究所は、2018年12月6日、ふるさと納税に係る地域経済効果分析の調査結果を発表した。ふるさと納税・地方創生研究会は、2016年より、首長アンケート(月刊事業構想2017年10月号参照)や、自治体のふるさと納税担当部署への調査(月刊事業構想2018年10月号参照)、ふるさと納税した寄付者へのアンケート(月刊事業構想2018年10月号参照)などを通じて、ふるさと納税が地域経済に与える効果を研究してきた。

今回発表したのは、ふるさと納税で獲得したお金が地域で循環して与える影響を分析した結果だ。域内経済循環調査手法である「LM3(Local Multiplier3」を用いた。返礼品の販売により、地域に新たに生み出された域内雇用者所得を分析の指標としている。返礼品製造にかかわる、生産→加工・流通→販売の工程でのお金の流れを調査し分析、返礼品による地元への経済効果を明らかにした。調査のヒアリングの対象となる事業者は、さとふるの取引事業者の中から、地元の素材を使って地域経済に貢献していると思われる5社を選んだ。

このヒアリングで得られたデータをもとに、地域生産割合の増減でどの程度地域貢献率(地域雇用者所得/調達額)が変化するのかをシミュレーションしたところ、最大で約6倍の開きがあることが分かった。つまり、原材料・加工共に地域内で調達した返礼品を贈る場合は、双方地域外で実施した製品を贈る場合と比較して、経済効果は6倍になるということだ。

その後、調査から得られた結果を全国に当てはめたシミュレーションも実施した。2017年度のふるさと納税総寄付額が3653億円、返礼品還元率を30%とした場合、返礼品調達額は1096億円となる。もし全ての返礼品が原材料・加工共に域内で調達したものであった場合には、最大で767億円が域内雇用者所得として地域に還元されたと試算できた。一方、原材料・加工共に域外だった場合には、域内雇用者の所得は最小で110億円となってしまうという結果になった。ふるさと納税の理念に照らして、望ましい返礼品の形を考える基盤となる成果だ。

ふるさと納税201812.JPG

左から、調査を実施した事業構想大学院大学准教授重藤さわ子氏、さとふる取締役兼COO青木大介氏、事業構想大学院大学イノベーション推進局局長織田竜輔氏

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