三井不動産、NTTドコモなどが資本業務提携 不動産と通信の融合で都市の価値向上へ
三井不動産、NTTドコモ、三井不動産ネットワークイノベーションの3社は2026年9月3日、モバイルインフラシェアリングの促進を通じて快適な通信環境の整備と不動産アセットの価値向上を一体的に推進することを目的とした資本業務提携契約を締結したと発表した。契約は9月2日付で締結。提携に伴い、ドコモは三井不動産ネットワークイノベーションが実施する第三者割当増資を引き受け(出資実行予定日は9月30日)、3社は中長期的な協業体制を構築する。
提携の背景には、社会全体のデジタル化に加え、生成AIやロボット制御など多様なサービスの普及によって、街や建物に求められる通信・データ処理が用途に応じて一層多様化している状況がある。そこで、アセットホルダー(不動産保有者)、通信キャリア、インフラシェアリング事業者という異なる立場の3者が資本を通じて連携し、事業として広く展開する体制を構築していく。3社は、高速で安定した通信ネットワークを重要な都市インフラの1つとして街・建物に組み込むことが求められており、不動産アセットと通信の連携がこれまで以上に重要になっているとの認識を示す。
三井不動産は、グループ長期経営方針「&INNOVATION 2030」で掲げる「産業デベロッパー」としての新たな価値創出の一環として、2025年5月に三井不動産ネットワークイノベーションを設立。通信ネットワークの整備と建物・都市の価値向上を一体で進める「ネットワークイノベーション事業」を展開してきた。今回の連携で、三井不動産ネットワークイノベーションは、特定の通信キャリアに偏らない中立的な立場で、複数キャリアが利用できる共用インフラの企画・構築・運用を担う。
各社の役割は次の通り。三井不動産は街づくり・不動産開発の知見と、通信インフラを整備する不動産アセットを提供・活用する。ドコモは通信ネットワークの技術・運用ノウハウを提供し、三井不動産ネットワークイノベーションのモバイルインフラシェアリング事業に積極的に参画するとともに、次世代ネットワーク技術を活用したサービスの実証・導入を検討する。三井不動産ネットワークイノベーションは、アセットホルダーと通信キャリア各社の連携・調整、シェアリング設備の企画・構築・運用、3社協業案件のプロジェクト推進を担う。
主な取り組みとして3社は、新築・既存を問わず多様な都市部不動産アセットへのシェアリング設備の導入拡張、複数棟での同時設備導入など迅速・効率的な手法の検討、双方が導入・運用しやすい新スキームの構築を進める。
さらに、ドコモの先進的なネットワーク技術を三井不動産のアセットで検証・導入する。スタジアムやアリーナなどの大規模集客施設では、既存の3バンドを組み合わせる「Tri-Band Massive MIMO」やミリ波など高周波数帯域を活用し、混雑時にも高速・大容量・多接続を可能にする通信環境の提供をめざす。加えて、施設内で完結する閉域ネットワークとIn-Network Computing(INC)を組み合わせ、AIを活用した映像解析など、施設利用者やテナントの体験価値・利便性向上に資するソリューションの実証・導入を検討する。
3社は提携を起点に対象物件・エリアを順次拡大し、そこで得た知見や実績を水平展開していく方針。通信ネットワークやデータ、AIなどのITリソースを街の基盤として活用し、通信キャリアやアセットホルダーをはじめとする多様なステークホルダーと連携しながら、幅広い都市の価値向上をめざすとしている。