ARデバイス・ソフト開発のCellid 東急建設などから5億円を調達

AR(拡張現実)関連デバイスを製造・販売するCellid(東京都港区)は2022年12月16日、シリーズBで5億円の資金調達を実施したと発表した。同社はARグラス向けに世界最大級の広視野角を持つハードウエア「Display Module」と、高精度の空間解析ソフトウェア(ビジュアルSLAM)の両方を提供するベンチャー。11月にディスプレイモジュールのサンプル提供を開始しており、今回の資金調達によってモジュール量産化に向けた体制整備や北米およびアジアでのマーケティング活動を推進する。

ARグラスの世界市場は、2027年に5000万台(547億ドル)に成長することが見込まれている。ゲームやエンタメ分野を中心に早期に浸透したVRと異なり、ARは初期のエコシステム形成に時間をかけた後、急激に成長しスマートフォンのように日常生活に深く浸透することが期待されている。

Cellidの開発したディスプレイモジュールは、視野角が60度と広く、メガネ型に適した薄さも実現している。また、汎用機材で撮影された動画から簡単に3Dモデルを作成・閲覧できるソフトウェアも強みで、「スマホの次」と期待されるARグラスの有望ベンチャーとして期待されている。

今回の資金調達は、東急建設CVCファンドやアクサ生命保険などを引受先に実施。東急建設はCellidへの出資を機に、BIM(建築物3Dモデリング)などのデジタル技術とビジュアルSLAMを掛け合わせることによる建設事業のDXを推進する方針だ。

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Cellidの開発したARグラス向けディスプレイモジュール