東大、アクサ生命 健康経営の効果を可視化する指標を共同開発

東京大学未来ビジョン研究センター(IFI)とアクサ生命保険は2026年3月24日、企業の人的資本(ウェルビーイング)を定量的に評価する新指標「ウェルビーイングスコア」を開発したと発表した。2年間の共同研究の成果。アクサ生命ではこのスコアを、顧客企業向けの健康経営支援の一環として4月から提供する予定だ。

(左から)アクサ生命の村松賢治氏、同執行役員の笠原芳紀氏、東京大学未来ビジョン研究センター特任教授の井出博生氏と同・古井祐司氏

従業員の健康や働きやすさが企業パフォーマンスに影響を与えることは広く認識されてきたが、人的資本の主要な構成要素を包括的に測定し、企業の業績との関連性を定量的かつ実践的に示す指標はこれまで存在しなかった。今回の新しいスコアは、このギャップを埋めるものとして位置づけられている。

ウェルビーイングスコアは、従業員のウェルビーイングと経営成果の関係性を客観データで示すことを目指したもので、働きがいや働きやすさ、生きがい、心身の健康などの8つの「領域スコア」を総合評価する(下図)。アクサ生命が顧客法人の従業員に対して実施している健康習慣アンケートの45項目を領域ごとにマッピングして算出する。今回、大規模なデータ分析により、スコアの高低が企業の業績や人材の採用・定着、従業員の健康状態と密接に関連することが実証できたという。


研究結果によれば、ウェルビーイングスコアが高い企業は低い企業と比較して離職率が抑制されており、社員が評価する労働生産性が高かった。研究チームは同スコアを、企業の健康経営の現状把握や改善策の策定のベースとして役立てることができるとしている。

アクサ生命の前身は1934年創業の「日本団体生命」で、商工会議所と全国産業団体連合会が推進母体となって設立された保険会社であったことから、全国の商工会議所や商工会とつながりが強い。これまで、このような各地の団体と自治体などとの連携を通じて中小企業の健康経営をサポートしてきた。今後も中小企業が限られた人的資源の中で従業員のウェルビーイングと生産性向上を実現できるよう支援していく考えだ。