センサーとAIを活用した食品包装で食品ロスを削減 鮮度と安全性を自動で管理

(※本記事は『THE CONVERSATION』に2025年2月9日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

世界の食品の30%以上が毎年廃棄されている
世界の食品の30%以上が毎年廃棄されている

食料不安は、世界で20億人以上に影響を及ぼす人類の喫緊の課題の一つである。皮肉なことに、多くの人々が十分な食料を得られない一方で、世界の食品の30%以上が毎年廃棄されている。これは、生産・流通・消費の各段階における非効率性が主な要因となっている。

旧式で不正確、場合によっては誤った食品ラベルのシステムも、この問題を助長している。例えば、印刷された賞味期限の表示は、安全で健康に問題のない食品が不必要に廃棄される原因となり、温室効果ガスの排出増加や経済的損失を引き起こしている。

こうした課題を解決するには、すでに実証され、利用可能な持続可能な技術への積極的な投資が求められる。その一例が、リアルタイムで食品の品質を監視できるスマート食品包装の導入である。この技術を活用すれば、生産者、小売業者、消費者は、食品の状態に関する最新情報をパッケージから直接取得できる。

リアルタイム情報

従来の賞味期限ラベルは時間の経過のみを示すが、スマート包装技術では、高度なセンサーと人工知能(AI)を活用し、pHバランス、細菌の増殖、生体アミンの発生など、食品の腐敗を示す指標を測定することができる。これにより、食品の鮮度を動的かつリアルタイムで把握できるようになる。

こうしたシステムを活用すれば、食品の安全性が向上すると同時に、まだ食べられる食品の廃棄を防ぐことが可能になる。また、腐敗の兆候を早期に察知できるため、問題発生時に多額のコストと労力を要する検査の必要性も軽減される。

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