AIデータ社 重点17分野対応、核融合・先端エネルギー研究向けの知識統合AI基盤提供開始
企業データとAIの利活用カンパニー、AIデータ株式会社(港区、以下「AIデータ社」)は、日本政府が掲げる重点17分野の一つである「次世代エネルギー」領域、特に核融合エネルギーを中心とした先端エネルギー研究に向けて、生成AIを活用した統合研究基盤「AI FusionEnergy on IDX」を提供開始する。12月17日に発表した。
AI FusionEnergy on IDXは、核融合炉工学、プラズマ物理、材料科学、超伝導、制御工学、エネルギーシステムといった多分野にまたがる膨大かつ高度に専門化した知識群(論文・特許・実験データ・シミュレーション結果・国家プロジェクト情報・国際規格・研究者ネットワーク)を統合・構造化し、次世代エネルギー研究の加速、技術戦略立案、知財・国際競争戦略を一体で支援する研究DXプラットフォーム。
核融合研究機関・大学における研究テーマ設計・文献調査の高度化、重工・エネルギー関連企業の次世代エネルギーR&D戦略策定、核融合スタートアップの技術・知財・事業戦略構築における思考整理、政府・政策機関による次世代エネルギー政策・投資判断の検討といった目的での活用を想定する。
AI FusionEnergy on IDX では、業務ナレッジAIエンジン「AI孔明 on IDX」を基盤として、業務提携パートナーとの連携により構築された業界特化型ナレッジテンプレートを活用し、核融合炉設計、プラズマ制御、ブランケット・材料、燃料サイクル、エネルギー変換に関する専門的な生成AI支援を実現。情報を横断的に統合することで、関連分野横断の知識探索・比較・関係性を可視化する。
公開論文・特許情報・技術文献の要約・比較、研究テーマのトレンド分析や将来予測、技術課題間の因果関係の探索・横断AI活用、新規研究アプローチや設計仮説の構築支援なども行う。これにより、研究者の意思決定と仮説構築を高速化し、研究開発を加速。核融合関連特許・論文情報の分析、技術領域ごとの競争状況・空白領域への戦略的アプローチ、国家プロジェクト・海外動向との整合性に関する考察等を支援。研究成果の戦略的知財化と国際競争力強化にも資する。
さらに、核融合・エネルギー分野の専門機関・企業との業務提携により、ナレッジチームドライブ上で管理される最新の専門知識テンプレートを継続的に更新・拡充し、日本国内の研究拠点に加え、欧米・アジアの核融合研究動向を俯瞰する。政策立案・研究資金配分・国際連携の検討までも支援するインフラを提供し、国家プロジェクトや国際連携の推進に貢献する。
脱炭素社会の実現に向け、核融合エネルギーは「究極のクリーンエネルギー」として世界的に注目されている。日本政府も重点17分野の一つとして研究開発・産業化を強力に推進しており、国際連携、国内の国家プロジェクト、スタートアップの参入などにより、研究・投資は急速に拡大している。一方で、国内外動向や見通しの把握が難しいことに加え、物理・工学・材料・制御が高度に分断された知識構造、研究実績の整理・活用の困難さ、産業化・知財化、国際競争戦略への接続不足等が課題となっている。AI FusionEnergy on IDXはこうした課題を解決し、次世代エネルギー研究を支える「知識と意思決定の基盤」として、研究者の戦略的判断を支援していく。
AIデータ社では今後、業務提携パートナーの拡充による専門知識テンプレートの充実、ナレッジチームドライブ上の知識体系のメンテナンス、材料・制御・AI制御分野への特化型テンプレートの拡張、国際標準化・国際共同研究へのデータ支援等を進めていく。