法務省矯正局 2026年2月に社会と語り合う共創プロジェクト始動
法務省矯正局は、犯罪や非行をした人の更生を社会全体で支え、より安全で豊かな社会を構築するための共創プロジェクトを加速させている。同局は刑務所や少年院、少年鑑別所を所管し、日々「罪をどう償うのか」「更生とは何か」という根源的な問いに向き合ってきた。近年、社会構造が激変する中で犯罪・非行の内容も多様化しており、矯正の現場だけで完結しない、社会と地続きの支援の在り方が求められている。
こうした背景を受け、同局は2025年2月に「更生を信じる力で、もっと安全で豊かな社会を」という新たなミッションを掲げた。この理念を具現化する「はじめの一歩」として、社会に施設の実情を伝え、市民と共に具体的なアクションを構想するプロジェクトが進行中だ。2025年11月には新しいシンボルマークとアクション案の作成に向けたワークショップを開催し、多岐にわたるアイデアが寄せられた。そして2026年2月1日、これらの「アクションの種」を具体的なプロジェクトへと昇華させるためのイベント「NEXT!~未来に向けたアクションを一緒に考える~」を、東京都千代田区霞が関の法務省大会議室にて開催する。
本イベントでは、これまでに集まったアイデアを3つの主要テーマに分類し、全国各地の矯正施設職員と参加者が共に活動計画を作成する。
第1のテーマは「見せる、伝える」として、現場の実情や価値を可視化することに重点を置く。職員の姿や成功事例をSNS等で発信する広報活動や、専門性を形にするための新たなシンボルの活用、さらには「刑務所」や「少年院」という名称そのものを見直す議論などが含まれる。また、教育現場での社会理解の土台づくりや、勤務・収容体験といった理解を促す仕掛け、さらにはアートや演劇、伝統芸能といった地域の文化芸術活動との連携による多様な表現方法の模索など、社会の認識をアップデートする取り組みが検討される。
第2のテーマは「つながる、学ぶ」であり、実践から学び合う場を構築し、現場と社会の双方を強化することを目指す。当事者や職員、研究者、地域住民が対等な立場で交流し、失敗事例だけでなく成功事例から学び合う対話の場を創出する。また、共感や参画の入り口を整えることで「応援団」を組織し、組織間の縦割りを排した多機関連携を深化させ、社会との重なり合いを広げていく構想だ。
第3のテーマは「働く」に焦点を当てる。罪と向き合いながら社会とつながるための新たな就労モデルとして、企業が施設内にオフィスを構えて実務経験を提供する仕組みや、マーケティング・原価計算等を含むビジネスに近い作業の導入、さらには職員が企業側へ出向して伴走支援を行う形態などが挙げられている。加えて、起業家育成モデルの導入や投資家とのマッチング、伝統工芸などの担い手不足分野との連携、さらには被害弁済のための仕事の提供など、経済活動を通じた社会復帰の仕組みを具体化していく。
2026年1月22日まで参加申し込みを受け付ける本イベントで策定されたプロジェクト案は、必要な調整を経て、新シンボルマークと共に具体的な活動として社会に打ち出される。
■イベント概要
・日時:令和8年2月1日(日)13:00~17:00
・場所:法務省大会議室(千代田区霞が関1-1-1)
・申込み方法:お申込みはこちらから(クリックすると登録フォームに移動します)
・申込締切:令和8年1月22日(木)まで