日産自、高萩市 車中泊アウトドア観光の実証実験を開始へ

日産自動車と茨城県高萩市は2022年3月28日、車中泊体験の実証実験に関する協定を締結した。日産自動車のワンボックスワゴン車である日産キャラバンによる、車中泊をベースとした市内観光の実証実験を行う。

日産自動車が車中泊をテーマに自治体と協定を締結するのは今回が初めて。高萩市は茨城県北東部にあり、山・海の自然に恵まれているが、宿泊施設が少ないという課題を抱えている。そこで、コロナ禍を経て新たな宿泊手段として注目を集めている車中泊を活用した観光振興を目指して、日産自動車と連携することとなった。

4月28日から5月17日までを予定している「高萩ムーバブルビレッジ構想 AD”VAN”TURE実証実験」では、車中泊仕様の「日産キャラバン マルチベッド」を、参加者へ貸し出す。市内各地の観光名所や空き家、公共施設を車中泊スポットとして設定し、参加者はその中から好きなスポットを選んで車中泊をする。市内事業者が運営する、釣りやブッシュクラフト、乗馬体験といったアクティビティと、地元の食材を使った食事も併せて提供する。実験参加への募集人数は10組20名で、応募者多数の場合は抽選となる。

実験終了後は、応募者の属性や行動履歴・アンケートを分析し、料金や運用フローを改善する。2022年10月以降に、地元の観光協会などが主体となって事業を展開できるようにする予定だ。28日に実施された協定の締結式で、高萩市長の大部勝規氏は「今回の実験だけで終わらせるのではなく、必ず次のサービス化まで実現させたい」と期待を語った。

日産キャラバンは2021年秋にモデルチェンジを実施し、商用だけでなく個人利用のマーケットを積極的に開拓している。2021年12月には高萩市と、市内施設や自然を活用した体験型イベント「 AD“VAN”TURE 」を実施していた。

日産キャラバン