国土交通省、令和7年度「インフラDX大賞」の受賞33団体発表
国土交通省は2025年(令和7年)12月17日、インフラ分野においてデータとデジタル技術を活用し、建設生産プロセスの高度化・効率化や国民サービスの向上等につながる優れた実績を表彰する「令和7年度 インフラDX大賞」の受賞者を発表した。今回の選考では、計33団体の受賞が決定しており、その中でも特に優れた取組として4団体が国土交通大臣賞に選ばれた。同省はこれらのベストプラクティスを横展開することで、インフラ分野の変革を加速させる考えだ。
「インフラDX大賞」は、建設現場の生産性向上に関する優れた取組を普及させるため、平成29年度より開始された「i-Construction 大賞」を前身とする。令和4年度からは、建設業界内の効率化に留まらず、インフラの利用やサービスの向上といった業界外の取組へも募集対象を拡大するために現在の名称へと改称された。さらに、インフラ分野におけるスタートアップの取組を支援し、活動の促進や建設業界の活性化へつなげることを目的として、スタートアップ奨励賞が設けられている。
今回、最高賞である国土交通大臣賞を受賞したのは4団体である。工事・業務部門では、株式会社中和コンストラクションが「栗平川2号砂防堰堤垂直壁他工事」における取組で選出された。地方公共団体等の取組部門では、和歌山県田辺市の「田辺市デジタルツインプロジェクト(DTP)」、および熊本県玉名市の「玉名発!全国へ波及するDX実装モデル」がそれぞれ受賞した。また、i-Construction・インフラDX推進コンソーシアム会員の取組部門では、前田建設工業株式会社と法政大学の今井龍一、中村健二、塚田義典、寺口敏生による「ボクセル型インフラデジタルツインの構築」が選ばれた。
国土交通省提供
審査を担ったインフラDX大賞選考委員会は、有効性、先進性、波及性の3つの観点から評価を行い、今年度からは特に他の現場や地域に広がる可能性を示す波及性の観点を重視して選定を行った。全体の受賞内訳は、国土交通大臣賞4団体のほか、優秀賞27団体、スタートアップ奨励賞2団体の計33団体となっている。
今後の予定として、国土交通省は2026年(令和8年)1月中旬に授与式を開催する予定であり、詳細が決まり次第、改めて公表するとしている。また、コンソーシアム会員部門の受賞取組については、内容を紹介する動画がYouTubeにて公開されており、デジタル技術活用の具体的なイメージを共有することができる。