島津製作所、神戸大発ベンチャー・バッカスに出資、業務提携

島津製作所は、神戸大学発のベンチャーであるバッカス・バイオイノベーション(バッカス)に出資し、業務提携契約を締結したことを、2021年12月1日に発表した。

バッカスは神戸大学副学長で科学技術イノベーション研究科長の近藤昭彦教授と、同大先端バイオ工学研究センター長 蓮沼誠久教授がNEDOプロジェクトなどで培ってきた技術をもとに設立された。顧客ニーズに合わせて「スマートセル」を創出する開発受託サービスに取り組むバイオベンチャーだ。同じく神戸大学発のバイオベンチャーで、ゲノム編集を手がけるバイオパレットやDNA合成を手掛けるシンプロジェンとも連携し、独自性の高い最先端技術を提供している。

スマートセルは、狙った有用物質を効率よく大量生産できるように人工的に遺伝子を変化させた「賢い細胞」のこと。スマートセルの活用により、石油や天然ガス由来のものづくりから、バイオ技術を活用したものづくりに移行することで化石燃料不使用が実現でき、「脱炭素」の観点からも必要不可欠とされている。
島津製作所は今回の出資により、スマートセル分野に本格参入し、革新的な分析計測技術の開発を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していく。

今回の業務提携に基づき、島津製作所は2022年1月より、バッカスと「ハイスループット化に向けた分析機器の改良」など複数テーマで共同研究を行う。2030年には市場規模が300兆円にも達するとされるバイオ関連市場に置いて、バッカスと提携して日本初のバイオファウンドリ構築を目指す考えだ。

島津_バッカス