培養魚肉のシンガポール企業Umami Meats 日本に進出

細胞培養による食用の魚肉の開発と実用化を目指すシンガポール企業Umami Meats社は、2023年5月11日、日本に進出することを発表した。日本企業との提携して、先端テクノロジーで日本の魚食文化を持続可能にすることを狙う。

Umami Meatsは、シンガポールに本社を置くバイオテクノロジー企業で、細胞培養による魚の自動生産プラットフォームを構築している。幹細胞生物学と機械学習、自動化を組み合わせて、費用対効果の高い魚肉を生産し、魚介製品を安定して供給できるようにすることを目指している。進出にあたっては日本に支社を設立する予定。日本支社は、複数の企業が協力して、地域の文化やサプライチェーンに適した製造エコシステムと消費者向けアプリケーションを構築する「イノベーションラボ」として関係者が集う場所にしていく。

細胞培養により魚介類を確保できれば、絶滅危惧種の乱獲を止めつつ、既存の食文化を維持できることから、同社の取組は期待されている。2022年 3月にプレシードラウンドで240万ドルを資金調達した。ほか、イスラエル企業と共同で、2023年1月に3Dプリンタを用いた培養ウナギと培養ハタ製品の開発のための助成金を獲得している。