無印良品 「インフラゼロでも暮らせる家」の実証実験を開始

「無印良品の家」を展開するMUJI HOUSE(東京都豊島区)は2023年3月2日、エネルギーや生活水などを既存のライフラインに依存しないモバイルユニットを移設・組み合わせることで、インフラの整わない場所でも自由自在に暮らすことのできる移動式住宅の実証実験「ゼロ・プロジェクト」を開始すると発表した。2023年はテクノロジーの検証の上でプロトタイプを開発し、実証実験として実際に生活する人を募集する。実証実験を経て、2024年以降に「インフラゼロでも暮らせる家」の実用化を目指す。

「インフラゼロの家」とは、「インフラ」「カーボン」「リビングコスト」「災害リスク」の4つのゼロを目標とする家。エネルギーや水を自ら生成して既存インフラに頼らない仕組みをつくるとともに、再生可能エネルギーの活用で温室効果ガスの排出を実質ゼロにする。また、取得したエネルギーの効率的な利用と、廃棄・排泄物の処理コストをかけないことにより、生活に必要なエネルギーコストを実質ゼロにする。さらに、生活インフラの自給自足と、どこにでも移動ができる機能を備えることで、自然災害のリスクを回避する。これらの実現に向けて、社会インフラ領域のイノベーション推進と新産業創出を目指すU3イノベーションズ(東京都港区)や、クリーンなエネルギーをつくる未来の屋根「Roof-1」を開発するモノクローム(東京都中央区)とも連携し、今後具体的な実証実験を進めていく。

MUJI HOUSEは、「建築費」だけでなく、「燃費(光熱費)」や「環境負荷」までを考えた家づくりが当たり前の社会を目指している。これまでも2011年から室温維持に必要なエネルギー量を計算し、実際にかかる電力消費量や節約効果がわかる温熱シミュレーションの全棟実施、また2015年より、環境に配慮した高性能な住宅の実現のため、ダブル断熱+トリプルガラスサッシの標準仕様化を行ってきた。今回のプロジェクトを通じて、「インフラゼロでも暮らせる家」の実用化だけでなく、得られた知見や技術を既存の商品にも反映していくことで、今後住宅のLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)化を進めていく。

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