Smoltと琉球大学 業界初、亜熱環境下の高温耐性サクラマスの養殖実証開始

水産スタートアップのSmolt(宮崎県宮崎市、月刊事業構想2021年9月号参照)は2026年3月25日、琉球大学と共同で、高温耐性サクラマスの閉鎖循環式(RAS)陸上養殖システムによる実証実験を沖縄県で本格的に開始した。従来は養殖不適地とされてきた亜熱帯環境下でのサクラマス養殖の実証は業界初の試みとなる。

実験は琉球大学農学部附属農場で実施し、Smoltが開発した高温耐性種苗300尾をRASで飼育する。水槽内の水を循環・浄化しながら再利用するRASは、外部環境に左右されず水温・水質を制御できるため、温暖地域での安定養殖が期待されている。今回の実証実験を通して、サクラマスの生残率や成長速度の計測、亜熱帯環境における陸上養殖の環境制御技術の確立、国内における養殖適地の拡大に向けた科学的データの蓄積を目指す。

サーモン類は一般に低水温を好み、地球温暖化による海水温上昇は養殖業界に深刻な影響を及ぼしている。こうした中、Smoltは2019年の創業以来、6世代にわたる選抜育種を重ね、20℃前後の高水温でも安定成長するサクラマスの系統を確立してきた。Smoltの高温耐性種苗はすでに九州・四国・本州の養殖事業者10社以上に導入されており、今回の実証で養殖適地のさらなる拡大が見込まれる。Smolt代表取締役の上野賢氏は、「100年後の子どもたちが日本産サーモンをおいしく食べられる社会をつくるために、科学の力で前進する」とコメントしている。小宮20260326