再生医療で描く日本の未来研究会 経産省・厚労省・文科省の3省に2025年度提言書を手交
学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学(本部:東京都港区、学長:田中里沙)は2026年5月14日、政産官学連携で取り組む「再生医療で描く日本の未来研究会」が2025年度の議論を取りまとめた提言書を、経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省に申し入れた。経産省では井上博雄 商務・サービス審議官、厚労省では仁木博文 副大臣、文科省では松本洋平 文部科学大臣に、それぞれ手交を行った。
2026年5月14日 厚生労働省副大臣室で提言書手交を実施。(左から)参議院議員 古川俊治氏、再生医療イノベーションフォーラム代表理事会長 畠賢一郎氏、慶應義塾大学教授 後藤励氏、事業構想大学院大学学長 田中里沙、厚生労働省仁木博文副大臣、 国際幹細胞学会理事長 岡野栄之氏、RealizeEdge Partners代表取締役社長 志鷹義嗣氏、慶應義塾大学教授 中村雅也氏
「再生医療で描く日本の未来研究会」は、再生医療を含む最先端医療分野が日本の国際競争力や国民の健康寿命延伸への貢献などにおいて大きな期待を集める一方、新しい医療分野であるがゆえに、安全性・有効性の確認を含む臨床開発に時間と費用がかかるうえ、制度面での課題も指摘されている現状を踏まえ、日本における再生医療の健全な発展、輸出産業への育成など国際競争力強化を目的に、2023年度から議論を重ねてきた研究会である。
座長を務めるのは事業構想大学院大学学長の田中里沙氏で、常任委員には参議院議員・医師の古川俊治氏、国際幹細胞学会理事長の岡野栄之氏、慶應義塾大学教授の後藤励氏、日本総合研究所シニアフェローの翁百合氏、日本再生医療学会理事長の西田幸二氏、RealizeEdge Partners代表取締役社長の志鷹義嗣氏、再生医療イノベーションフォーラム代表理事会長の畠賢一郎氏、外務副大臣・衆議院議員・医師の国光あやの氏、慶應義塾大学教授の中村雅也氏が名を連ねる。
「次の10年に向けた議論」をテーマに6項目を提言
2025年度は「次の10年に向けた議論」をコンセプトに、イノベーションの加速、再生医療等製品の臨床評価、医療保険財政と国民の理解の3つをテーマに研究会を開催。今年度の研究成果として、(1)医薬品医療機器等法下の条件及び期限付承認制度の適切な運用に向けた更なる制度の整備、(2)再生医療等製品の特性を反映した医療保険制度の整備、(3)再生医療等安全性確保法下で提供される再生医療の推進、(4)国内製造の体制構築と製造技術の発展支援、(5)再生医療にかかわる人材の育成、(6)患者・市民参画と社会的理解の促進、の6項目を提言書として取りまとめた。
経済産業省には製造基盤強化と人材育成を要望
経済産業省への手交は、経産省審議官室で行われた。経産省に対しては、提言項目のうち「国内製造の体制構築と製造技術の発展支援」として、AI×ロボティクスといった日本の強みを活かした製造基盤の強化を要望。あわせて「再生医療にかかわる人材の育成」の観点から、基礎研究者の充実と基礎研究・応用研究の連携強化、人材流動性の活性化を求めた。
厚生労働省には承認制度と保険制度の整備を要望
厚生労働省への手交は、副大臣室で実施された。厚労省に対しては、「再生医療等製品の特性を反映した医療保険制度の整備」として、再生医療等製品の特長・価値を踏まえた価格制度、および持続可能な再生医療等製品の提供を可能とする診療報酬制度の構築を要望した。また「医薬品医療機器等法下の条件及び期限付承認制度の適切な運用に向けた更なる制度の整備」として、制度運用をより実効性のあるものとするためのガイドライン策定、対象患者が限定される疾患での有効性評価へのレジストリデータの活用を提言。「再生医療等安全性確保法下で提供される再生医療の推進」では、「検証型診療」の推進、民間保険および保険外併用療養費制度の活用を求めた。
文部科学省には人材育成と社会的理解の促進を要望
文部科学省への手交は、大臣室で行われた。文科省に対しては、「再生医療にかかわる人材の育成」として、基礎研究者の充実と基礎研究・応用研究の連携強化、生物統計人材の育成、人材流動性の活性化を要望。さらに「国内製造の体制構築と製造技術の発展支援」におけるAI×ロボティクス活用の製造基盤強化、「患者・市民参画と社会的理解の促進」におけるヘルスリテラシー向上に向けた情報発信の強化についても求めた。
研究会の提言内容および開催報告の詳細は、研究会公式サイト(https://conference.mpd.ac.jp/regenerative_medicine)で公開されている。