大日本印刷 「ライトアニメ」事業を開始し、新たなエンタメ市場開拓
大日本印刷は2022年9月7日、出版印刷事業で培ったコンテンツ加工技術等を応用・発展させた独自のアニメ制作手法を開発し、「ライトアニメ」の名称でサービス提供を開始したと発表した。従来のアニメ制作手法と比較し、アニメーション制作にかかる時間やコストを大幅に抑制できるようになる。
従来のアニメは原作のマンガ原稿をもとにアニメ用の原稿を新たに描き起こして制作されていたが、「ライトアニメ」はマンガ原稿自体を活用することが特徴。セリフの吹き出しなどを削除したマンガ原稿に、着彩(色付け)や分割を行い、必要に応じてアクションを加えて動画にすることで、制作期間とコストを大幅に抑える。この手法により、従来の制作手法ではアニメ化が難しかった多くの作品や、原画のタッチを活かしたい作品なども、比較的容易に市場供給が可能となる。同社は、制作時間は従来平均の約12分の1、費用は約10分の1でのアニメ提供を目指している。
制作したアニメ作品については、同社が事務局となり、動画配信プラットフォームに向けて放送権を販売。また、同社グループが運営するハイブリット型総合書店「honto」をはじめとする電子書籍販売サイトや、様々なデジタルコンテンツ配信サービスを通して、生活者に作品の提供・販売を行う。同社は今後、ライトアニメを軸にして、グローバル市場も視野に入れたアニメ関連のエンタテイメント事業を展開していくという。
「ライトアニメ」でアニメ化した作品イメージ(『どっちもどっち』海王社)