植物由来の食品ブランドが苦戦する中、大手IT企業のマーケティング戦略に学ぶべき理由
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年11月26日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
ここ数年、順調に売り上げを伸ばしてきた代替肉の需要が急減しているようだ。 有名ブランドのビヨンド・ミートやクォーンは苦戦を強いられており、小規模な生産者の中には廃業したところもある。
菜食主義やヴィーガニズムは、かつて人気を集めているとされている。しかし、植物由来食品は一時的な流行にすぎず、かつてのヨーヨーやベルボトムのジーンズのように消えていく運命なのだろうか。おそらくそうではない。
代替肉販売の失速を理解するには、これを食品ではなく「新技術」として捉えることが有効である。新技術は単純な方法では市場に浸透しないことが広く知られているためだ。
新しい製品は通常、従来型の製品ライフサイクルに沿って普及する。初期には一部の「アーリーアダプター」(早期採用者)によって緩やかに売上が伸び、その後、一般消費者に広がることで急速な成長を見せる。しかし、その後再び成長が鈍化する。
新しいテクノロジーに関する研究によると、新技術を用いた商品は、通常の製品ライフサイクルとは異なり、アーリーアダプターによる購入の波が一段落した後、一時的に売上が停滞、または減少することが指摘されている。その後、他の消費者層が追随することで売上が再び増加し、急成長に戻る。この「停滞期」や「小幅な減少」により、製品ライフサイクルが滑らかなS字カーブではなく、途中で「サドル」と呼ばれる不格好な隆起を描くことになる。
新たな技術のライフサイクルでは一部の市場で「サドル」を形成し、他ではそうならない理由については、「テクノロジー採用ライフサイクル」が説明している。この理論では、特定の市場における消費者間の「異質性」、つまりある市場内における消費者が持つ、知識や理解度の差が影響するとされる。
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