男女共同参画白書 22年版閣議決定、「働き方をコロナ前に戻さない」

2022年6月14日、2022年版の男女共同参画白書が閣議決定された。人生100年時代における結婚と家族についてフォーカスし、家族の姿の変化と課題にどう向き合うかについて提言している。

最新版の男女共同参画白書では、家族の姿が変化し、人々の人生が多様化していること、結婚と家族を取り巻く状況も多様化していることに言及している。例えば、婚姻件数は、2020年には52.6万件、2021年には51.4万件と戦後最も少なくなった。2020年には30歳時点の未婚割合は、女性が40.5%、男性は50.4%となり、50歳で配偶者のいない人の割合は2020年時点で男女とも3割に上る。

共働き世帯は増加傾向にあるが、男性雇用者と無業の妻からなる世帯は減少している。前者の数は、後者の2倍以上にのぼる。一方で、女性の所得は低く、女性が世帯主の単独世帯も、それ以外の世帯も、世帯所得は200万~299万円に分布が集中している。

白書では、長い人生の中で、経済的困窮に陥ることなく、尊厳と誇りをもって人生を送ることのできる社会の実現を目標として挙げている。そして、人生100年時代における男女共同参画の課題として、女性の経済的自立を可能にする環境整備、すなわち男女間賃金格差の解消や、地方における女性活躍推進を挙げたり、早期からの女性のキャリア教育推進を提言している。また、世帯単位から個人単位への保障・保護の転換や、無償でケア労働を担っている人への配慮の必要性にも言及した。柔軟な働き方の浸透、特に働き方をコロナ前に戻さないことも指摘している。さらに、男性の人生も多様化していることを踏まえ、男性向けの相談窓口設置や、結婚・子育て支援などの政策が必要であるとした。