商船三井 低炭素アンモニアバリューチェーン構築に動き出す
株式会社商船三井(以下「商船三井」)は、株式会社JERA(以下「JERA」)とアンモニア輸送船VLGC(Very Large Gas Carrier)2隻の定期用船契約に関わる基本条件合意書を締結したことを、12月22日に発表した。本合意にもとづき、商船三井はJERAが出資する米国ルイジアナ州「Blue Point」で製造される低炭素アンモニアをJERAの碧南火力発電所(愛知県碧南市)へ輸送する。今回の合意は、2022年11月から商船三井とJERAで重ねられてきた燃料アンモニア輸送に向けた協業検討を発展させ、低炭素アンモニアのバリューチェーン構築を商用規模で実現するもの。これにより、国内で先駆けて、大規模な低炭素アンモニア輸送が実現に向けて動き出すことになる。

アンモニアは、肥料原料や化学品原料として利用でき、燃焼時にCO2を排出しない次世代のクリーンエネルギーとして注目されている。加えて、発電プラントおよび船舶における燃料利用のほか、カーボンニュートラル社会の実現に向けて利活用が検討される水素を大量且つ効率的に輸送する媒体「水素キャリア」としての活用も期待されている。さまざまな分野で脱炭素ソリューションを提供できる可能性を有しており、今後大規模な需要が見込まれている。
商船三井グループは、世界最大級の船社としてこれまでに培ってきた経験およびノウハウを生かし、海運を中心にさまざまな社会インフラ事業や技術・サービスを展開し、グループ全体で幅広いお客様のニーズに応えていく。経営計画「BLUE ACTION 2035」では環境戦略を主要戦略の一つと位置付け、「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」において、2050年までのネットゼロ・エミッション達成を目標に定めている。これを踏まえ、高品質かつ安全なアンモニア輸送についてさらに実績を積み上げていくと共に、燃料としての導入により、アンモニアの広範なバリューチェーン構築に積極的に参画することで、脱炭素社会の実現に貢献していく。