教育AIに適した性格は親しみやすさか正確性か 実験で明らかになった課題も

(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年11月24日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

若い学生ががノートパソコンでAIチャットボットに質問しようとしている様子

人工知能(AI)は教育分野を急速に変革しており、学校や大学では、AIチャットボットを活用して学生の自主学習を支援する取り組みが広がっている。

このようなデジタルアシスタントは、即時にフィードバックし、質問に答え、複雑な学習内容を学生が理解する手助けをする。また、教師にとっても、個別のフィードバックを大勢の学生に効率的に提供できるため、業務の負担軽減につながる。

しかし、効果的なAI教育アシスタントとはどのようなものだろうか? 親しみやすさを重視すべきか、それともプロフェッショナルで的確な対応を求めるべきか? さらに、このような技術を教室で利用する際に生じる課題にはどのようなものがあるのだろうか?

私たちは現在進行中の研究を通じて、学生がAIチャットボットに何を求めているのかを探りながら、その利点と課題を明らかにしている。

親しみやすさか的確さか

私たちは、大学生の自主学習を支援する2種類のAIチャットボットを開発した。それぞれ異なる性格と対話スタイルを持つ「ジョン」と「ジャック」である。

「ジョン」はフレンドリーな表情とカジュアルな服装が特徴だ。彼の対話スタイルは学生を励まし、共感を示すもので、「その通り!」「素晴らしい進捗ですね!そのまま続けましょう!」といった言葉を多用する。

学生が難しい課題に直面した際には、「この部分は少し難しいかもしれませんね。私がサポートします!」と励まし、安心感を与えることで、親しみやすく取り組みやすい学習環境を作ろうとした。

特徴の違う2人のAIチャットボット
チャットボット「ジョン」はフレンドリーで学生を励ますスタイル(画像左)。 チャットボット「ジャック」は的確で直接的な対応が特徴だ(画像右)。著者提供

一方、「ジャック」はフォーマルなスーツ姿で、権威を感じさせる外見が特徴的だ。彼の回答は簡潔で明確。「正解です」「まさにこれが私の求めていた答えです」といった表現を多用する。

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