テレビ朝日・KDDIスマートドローン、ドローン活用した災害報道体制確立に向け実証を開始

株式会社テレビ朝日(以下「テレビ朝日」)、KDDIスマートドローン株式会社(以下「KDDIスマートドローン」)は、ドローンポートを活用した遠隔操作による災害報道の実現に向けた取り組みを開始する。12月25日に発表した。

KDDIスマートドローンは、災害発生時に迅速な状況把握を可能にするドローンポートの全国1,000箇所への配備を進めている。その第一歩として、2025年10月には石川県内で「Skydio Dock for X10」を常設し、能登地域での災害対応力強化に向けた準備を進めてきた。今回の連携は、この全国展開の取り組みを報道機関との協働へと拡張するもので、災害時における報道機関との連携フローや、空撮映像の報道利用に向けた検証を行う。

検証は、「Skydio Dock for X10」を使用して行われ、遠隔操作により撮影されたFPV映像(一人称視点映像)を含むデータが災害報道に耐えうる画質・遅延レベルであることを実証する。報道連携フローについては、発災時にテレビ朝日の要請に基づき、現地のドローンが自動離陸し、撮影した映像を即座に報道フロアへ伝送する一連のワークフローを策定・検証する。また、ドローンの運行管理体制については、災害現場では報道ヘリコプターとドローンが空域を共有することになることを想定。KDDIスマートドローンの運航管理システムを活用し、有人機と無人機が安全に共存するためのシステム検証を行う。


テレビ朝日は、災害報道におけるドローン活用要件の整理と撮影映像の品質検証および編集・放送運用の検討を行う。KDDIスマートドローンは、「Skydio Dock for X10」の設置・運用および技術検証を担う。

近年激甚化する自然災害に対し、報道機関には正確かつ迅速な情報伝達が求められており、報道ヘリコプターや地上からの撮影に加え、ドローンの活用が進んでいる。その一方で、災害現場へ操縦者を派遣する従来の取材では、到着までのタイムラグや二次災害のリスクがある。
こうした課題に対し、本取り組みでは、現地に常設されたドローンポートを遠隔操作することで、発災直後の初動の空白時間を埋め、安全かつ迅速に被災状況を視聴者に伝達する新たな報道体制の確立を推進。その上で、両社は本取り組みを通じて得られた知見をもとに、今後は石川県能登半島全域、さらには全国へ配備が進むドローンポートを活用した広域的な災害報道ネットワークの構築を目指す。