CraifがシリーズDで53億円調達、尿解析プラットフォームで米国市場へ挑む
バイオAIスタートアップのCraifは2026年8月18日、シリーズDラウンドで総額約53億円を調達したと発表した。内訳は第三者割当増資およびセカンダリー取引で約48億円、金融機関からの融資で5億円で、うちセカンダリー取引の規模は約9億円。2018年5月の同社の創業以来の調達総額は約142億円となった。
米国サンディエゴにあるCraifバイオAIラボ
今回のラウンドは、シンガポールのGranite Integral Capitalと、静岡県伊豆の国市のタウンズが共同リードを務めた。新規投資家として米国のUnreasonable Group、こどもの森、北洋スタートアップ1号ファンド、個人投資家が参加し、既存投資家のX&KSK、Nagase Future Fund 1号投資事業有限責任組合も引き続き出資した。融資は常陽銀行、東日本銀行、北洋銀行、北國銀行、名古屋銀行、日本政策金融公庫の6機関が実行した。
同社は独自解析技術「NANO IP」を基盤に、尿中のマイクロRNAをAIで解析する検査サービス「マイシグナル・スキャン」を展開している。すい臓がんを含む10種類のがんについて、ステージ1の段階からリスクを評価できるサービスで、導入先は国内の医療機関で2500以上、ドラッグストア・薬局で4700以上に広がり、累計の検査利用件数は11万件を超えた。関連する学術論文・学会報告は85件以上に上る。
今回調達した資金は、米国での研究開発体制の強化とプロダクトローンチ、国内事業の拡大に充てる。あわせて、すい臓がんを対象とする医療機器プログラム(SaMD)の薬事承認取得に向けた臨床開発と、尿解析プラットフォームの構築を加速させる方針だ。経営体制では、代表取締役CEOの小野瀨隆一氏が2026年4月に米国へ生活拠点を移したほか、Medtronic出身の向井丈雄氏がCFO、医師で研究者のNick Bevins氏がCMOに就任した。小野瀨氏は「日本のスタートアップが米国ヘルスケア市場で大きな成功を収めた例はまだない。だからこそ挑む価値がある」とコメントしている。