日本化学工業、チタン酸バリウムの生産能力を増強 AIサーバー向けMLCC需要に対応

日本化学工業株式会社は8月18日、電子セラミック材料であるチタン酸バリウムの生産能力を増強すると発表した。同社は1915年設立の化学メーカーで、クロムやリン、バリウムなどの無機化学製品に加え、電子セラミック材料や半導体材料といった電子材料を幅広く手がける。今回増産するチタン酸バリウムは、電子機器に多用される受動部品「積層セラミックコンデンサ(MLCC)」の誘電体として使われる材料で、微粒子合成技術や粒径制御技術など同社独自の技術基盤を生かして供給している。

増強は、福島県郡山市の福島第一工場内でチタン酸バリウムの生産設備を拡充する形で行う。原料となる高純度炭酸バリウムの生産も含めて能力を高め、AIサーバー向け高性能MLCC用途を中心とした需要への対応力を現行比で約1.5倍に引き上げる見込み。増強の完了と稼働開始は、いずれも2027年度を予定している。

背景には、生成AIの普及に伴うAIデータセンター市場の拡大がある。AIサーバーや高速通信を支えるネットワーク機器には高性能なMLCCが数多く搭載されており、その誘電体材料であるチタン酸バリウムの需要も世界的に増加している。同社はAIサーバー向けの高性能MLCC用途に対応した製品開発を進めており、今回の増強はこうした市場動向を受けた供給体制の整備と位置づけられる。

MLCCは電子機器の小型化・高性能化を支える基幹部品であり、その材料の安定供給はエレクトロニクス産業全体にとって重要性を増している。国内材料メーカーである同社が生産能力を高めることは、拡大が続くMLCC市場において材料供給の一翼を担う取り組みといえる。