MRT、糖尿病フットケアのセカンドハートと資本業務提携
医師向けプラットフォームなどを手がけるMRT(月刊事業構想2021年10月号参照)は2026年8月17日、糖尿病による足切断ゼロを目指すセカンドハート(京都市)と、資本業務提携に関する基本合意書を締結したと発表した。MRTのシンガポール子会社MRT Global Managementを含むMRTグループとセカンドハートの双方が持つ医療ネットワークや事業基盤を相互に活用し、糖尿病性足病変という医療課題の解決と、ASEAN地域での医療サービスの発展・事業機会の創出を目指す。最初の対象国はマレーシアとする。
提携の背景には、糖尿病の合併症である糖尿病性足病変の深刻さがある。重症化すると下肢切断に至ることがあり、世界では糖尿病に起因する下肢切断が約20秒に1件発生し、切断後5年以内の死亡率は50%を超えるとの報告もある。特に糖尿病患者が急増するアジア・アフリカ・中南米で大きな社会課題となっており、早期発見・早期介入の重要性が国際的に指摘されている。
セカンドハートは「糖尿病患者の足をまもり、足切断をゼロにする」をミッションに、患者が自宅でスマートフォンにより足の状態を撮影・記録し、医療機関と共有できるクラウド型の遠隔フットチェックサービス/アプリ「Steplife」を提供する。国内では患者登録が約1900名に上り、直近では第1四半期の売上高が前期通期の約4倍に伸長した。京都大学大学院医学研究科との共同研究のほか、総務省「ICTスタートアップリーグ」や経済産業省「グローバルサウス未来志向型共創等事業」などにも採択されている。
セカンドハートはASEAN展開の第一歩として、マレーシアに現地法人SECOND HEART ASIA社を設立した。マレーシアは20〜79歳の糖尿病患者数が約475万人、年齢調整糖尿病有病率が21.1%と高い。またASEAN域内の医療ハブの一つに位置づけられることから、同国を足がかりに周辺国への展開を狙う。現地ではマレーシア社会保障機構(PERKESO)と協力覚書を締結し、実証や大学との学術連携も進めている。
一方のMRTグループは、ベトナムで医療プラットフォーム「MRT HUB」と医療人材の紹介サービスを展開し、医師ネットワークの拡大とASEAN市場での事業基盤構築を進めてきた。両社は、セカンドハートが持つ糖尿病・慢性疾患領域の専門知見と海外ネットワーク、MRTグループが持つ医療カンファレンス運営のノウハウや国内の医師・医療機関・行政のネットワークを相互に活用し、海外での事業開発や実証事業、カンファレンス・セミナーを共同で推進する。新たに展開する国・地域でも連携し、現地行政や関係団体との関係構築を支援し合う。
今回の合意に基づき、MRTはセカンドハートの第三者割当増資を引き受ける。取得比率は発行済株式総数の約1.33%、総額499万円。MRTグループは、ベトナムで培った知見をマレーシアに水平展開し、さらに蓄積される経験を東南アジア各国へ広げることで、「ASEAN No.1の医療DX・医療人材プラットフォーム」の構築を進める考えだ。