東京ガス 高圧系統用蓄電池を対象とした最適運用サービス提供開始

東京ガス株式会社(以下「東京ガス」)は、高圧系統用蓄電池を対象とした最適運用サービスの提供を開始することを12月23日に発表した。

本サービスは、蓄電池を所有する事業者からの委託を受け、東京ガスが蓄電池設備を運用し、需給調整市場や容量市場などを対象とした市場取引を実施するもの。東京ガスが強みとする電力トレーディングにおける価格予測や運用ノウハウを活かし、市場取引を通じて収益の最大化を図る。東京ガスはすでに特別高圧系統用蓄電池を対象とした最適運用サービスを展開しており、本サービスはその提供対象を高圧に拡張する。

再生可能エネルギーの普及や電力市場の活性化などを背景に、系統用蓄電池の導入が急速に進む中、蓄電池運用の最適化による事業性向上や、運用のアウトソースのニーズは高まっている。一方で、高圧領域においては、特別高圧領域と比較して一般的にスケールメリットが限られるため、担い手として期待される大手アグリゲーターのサービスが行き届いていない現状がある。

東京ガスはこのようなニーズに広く対応するため、これまでリソースアグリゲーション事業で培ったシステム基盤を合理化・応用することで効率的な運用体制を確立。設備規模の大小を問わず最適運用サービスの提供を実現した。

初の案件として、株式会社ライフワン(以下「ライフワン」)と、ライフワンが所有する5か所の系統用蓄電池(2MW/8MWh×5件)について運用受託契約の締結を合意するとともに、ライフワンの今後の新規開発案件においても東京ガスを優先交渉パートナーとすることで合意した。
ライフワン能代市河戸川発電所(秋田県能代市/1,999kW)、ライフワン犬山市善師野三軒寺発電所(愛知県犬山市/1,994kW)、ライフワン淡路市大町蓄電所(兵庫県淡路市/1,999kW)、ライフワン伊佐市大口大田発電所(鹿児島県伊佐市/1,999kW)、ライフワン洲本市五色町蓄電所(兵庫県洲本市/1,999kW)において、2026年度下期より順次運転を開始する予定だ。
 

東京ガスは、2028年度までに、本サービスによる高圧系統用蓄電池の運用設備規模200MWを目指すとしている。特高領域では既に、2030年度までに運用設備規模800MWの目標を掲げて系統用蓄電池事業を推進しており、本サービスの展開と併せて系統用蓄電池の普及と再生可能エネルギーの導入拡大に貢献していく考えだ。