一人71.5万円の眠る資産 メルカリ、 隠れた 価値を掘り起こす体験型イベント
株式会社メルカリは12月4日、年末の大掃除シーズンに向け、自宅に眠る不用品の意外な価値を再認識してもらうことを目的とした体験型イベント「捨てられそうなお宝ミュージアム」を12月4日、明治神宮前原宿で開催した。14日までの11日間、GoOnTOKYO(渋谷区神宮前)で開催される。メルカリが算出した、日本全国の「隠れ資産」は約90兆円に上る一方、国民の多くがその価値を大幅に低く見積もっている現状を可視化し、「捨てる前にまず調べる」という行動変容を促す。
プレスリリースより
52万円のギャップとグローバルなミッション
メルカリマーケティング事業部Social&Contentsチームマネージャーの池田早紀氏は、サービス開始12周年を迎えた同社のグループビジョン「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」の達成に向けた取り組みとして、今回のイベントの意義を説明した。
同社が実施した「隠れ資産」調査によると、一人あたり約71.5万円、日本全国で
約90兆円の不用品が眠っている。しかし、国民の売却予想金額は平均19.5万円に
留まり、実際の価値との間に約52万円もの大きなギャップがある。池田氏は、こ
の「どうせ大した利益にならないだろう」という諦めから、今年も大掃除で約10
兆円(一人あたり約8.9万円相当)の価値あるものがゴミとして捨てられる可能性
があると指摘した。
メルカリがこうした活動を行う背景には、「あらゆる価値を循環させる」という根
幹の目標がある。世界中には、ものが余っている地域と不足している地域があり、
同社は「正しく取引をしてものを送ったり送られたりするフィールドを構築するこ
と」をミッションとし、この仕組みを日本国内だけでなく世界中に広げることを目
指している。
平成レトロブームの火付け役が監修、雑誌などのお宝も
「捨てられそうなお宝ミュージアム」は、12月4日から14日までの11日間開催さ
れ、入場は無料。
会場では、実際にメルカリで出会える1,500点以上のアイテムを用い、2003年の
大学2年生の部屋、小学6年生の部屋、そして家族団らんの居間といった設定の3つの空間を再現した。展示されているものにはプレートがついており、めくると取引価格が現れる。こたつに置いてある木彫りのクマの置物のタグをめくると14800円の値段がついていた。
展示は、平成レトロブームに詳しい山下メロ氏が監修。「捨てる前に、まず価値を調べてみてほしいです」と話す。
展示品には、平成時代に活躍したものが多く含まれており、近年のレトロブームに
よって価値が見直されている。例えば、価値のギャップが最大で約14.9倍に開いたカテゴリーがあり、週刊漫画本が高値で取引されるケースがあり、『ドラゴンボール』の連載開始号などが高値で取引されている事例も紹介された。
世界で人気の「AGCE」 日本発コンテンツが越境の鍵
また、メルカリは現在、海外での越境EC(電子商取引)にも注力している。特に、アニメ、コミック、ゲーム、エンタメ(AGCE)関連のグッズや、日本でしか手に入らないものが海外から高い人気を集めているという。
メルカリグループPRチームディレクターグループ広報責任者の宮本祐一氏による
と、人気キャラクター「ちいかわ」はアジア圏で特に知名度が高く、一例として韓
国の空港を訪れた際に現地の空港職員が何人もスマートフォンの待ち受け画面にしているのを見かけたという。同社はまずアジア圏へのサービス提供を進めており、現在は台湾や香港で日本の「メルカリ」で出品されている商品を購入できるサービスを展開している。
FINTECH連携 売上金が新たな利益に変わる仕組み
メルカリの活動は、単にものを循環させるだけでなく、金融事業(FINTECH)とも連携している。メルカリで不用品を出品して得た売上金を、例えばビットコインなどの金融資産の購入につなげることで、個人が新たな利益を得ることも可能となる。
メルカリは、このイベントを通じて「捨てる前にまず調べる」「お宝探しのように意外な価値を見つける」という行動を、今年の年末から始めてほしいと呼びかけている。