イノベーションにおけるAI活用法 事業開発や企画、生成AIと人間が協力すべき
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年10月20日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
ChatGPTやDall-Eのような生成AIツールは、特にイノベーションが求められる業界において、クリエイティブな業務の在り方を変革しつつある。
しかし、イノベーションプロセスにおけるAIの活用には慎重な配慮が必要だ。私たちの研究によれば、成功の鍵は人間とAIそれぞれの補完的な役割を理解し、それを最大限に活用することにある。
さて、今日ではビジネスの成功にイノベーションは不可欠である。実際、グローバルに展開する企業内担当者を対象とした調査では83%がイノベーションを最優先事項と位置付けているが、実行に移す準備が整っているのはわずか3%にすぎない。これは、企業がイノベーションへの取り組みをさらに改善する必要性を示している。
イノベーションとは、複雑な問題を解決し、実質的な改善をもたらすことである。単に優れたアイデアを生み出すだけではなく、情報を活用して価値ある何かを創出する「知的作業」も含まれる。
生成AIは、この知的作業を容易にすることで企業がイノベーションの準備を整えるための手助けができる。しかし、この分野における生成AIの可能性はまだ完全には理解されていない。
「デザインスプリント」での新規事業検討に生成AIの支援を追加
私たちのチームは、デジタル技術に精通した学術研究者と、人間中心のイノベーションプロジェクトに長けた実務者から成り、3つの組織におけるデザインスプリント(短期間で集中的にアイデアを検討し、試作品の作成とテストを行う問題解決手法)での生成AIの活用方法を詳細に研究した(この研究は事前公開論文として公開され、査読を受けるために提出されている)。
デザインスプリントとは、重要な問題を迅速かつ構造化された方法で解決し、製品やサービス、戦略が実際に機能するかどうかをチームが検証するプロセスである。スプリントは、伝統的な製品開発に比べてリスクやコストを抑える利点がある。
デザインスプリント中、小規模なチーム(5~7名の異なる分野からの従業員)が数日間集中的に問題解決に取り組む。この活動ではファシリテーターが、活動内容を整理し、チームを導き、進捗を管理し、目標が明確であることや時間が効率的に使われていることを確認する役割を担う。
スプリントの第1ステージは問題の理解と定義に焦点を当て、第2ステージでは解決策の考案とテストが行われる。このプロセスには以下の2種類の思考が必要である:
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