「経営者仲間をつくる」 石川メッキ工業が協働日本と挑んだ幹部育成の2年間

(※本記事は「協働日本」に2025年12月26日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

石川メッキ工業株式会社 専務取締役 鴻野 健太郎氏

協働日本で生まれた協働事例を紹介する記事コラム「STORY」。
本連載では、協働日本とプロジェクトに取り組むパートナー企業の方をお招きし、どのように意思決定し、プロジェクトを推進しているのかをインタビューを通じて伺っていきます。

今回は、石川メッキ工業株式会社 専務取締役の鴻野健太郎氏にお話を伺いました。
石川メッキ工業株式会社は、石川県を拠点に、長年培ってきた確かな技術力で地域のものづくりを支えてきた製造企業です。

同社では、鴻野氏が掲げた「経営者仲間をつくる」という目標のもと、幹部候補人材の育成プロジェクトに協働日本が伴走支援を行いました。

プロジェクトを経て、参加したメンバーは会社の存在意義や課題解決に対する意識を主体的に持つようになり、現在ではフラットな関係性で相談や議論ができる組織へと変化しています。

協働日本との取り組みを通じて得られた変化、組織としての意識の変容、そして今後の展望について、率直に語っていただきました。

(取材・文=郡司弘明・山根好子)

2年の交流を経てスタートした「伴走支援」

ーー本日はよろしくお願いいたします。まずは、協働日本との出会いについて教えてください。

鴻野健太郎氏(以下、鴻野): こちらこそ、よろしくお願いします。

きっかけは、同じ金沢で老舗の発酵食品会社を経営されている四十萬谷本舗の四十万谷正和さんから「面白い人たちがいるよ」とご紹介いただいたことでした。その流れで、石川県が主催する協働日本のセミナーに参加しました。

そこで代表の村松さんと出会い、2〜3か月に一度のペースで定期的に「壁打ち」をしていただくようになりました。対話を重ねるなかで、いつか本格的な伴走支援をお願いしたいという思いはあったのですが、協働日本にはマーケティングやDXなど、さまざまな分野のプロが在籍されているため、逆に「今の自社の課題に対して、何からお願いすべきか」と悩んでいた時期もありました。

そんな交流が2年ほど続いた頃、石川県の事業として3か月間の伴走支援に挑戦できる機会があると知り、「これは絶好のチャンスだ」と応募しました。

今年の春から、ようやく本格的な協働プロジェクトがスタートしました。

ーーなるほど。では、迷われていた中で、最終的にどのようなテーマを選定されたのでしょうか。

鴻野:「経営者仲間をつくる」という目標を掲げ、幹部候補の人材育成をテーマに伴走していただくことにしました。

というのも、私自身がこれまで管理職研修などで体系的に経営視点を学んだ経験がなく、当時の管理職は私より10歳以上年上のベテランばかりでした。

正直なところ、「自分が教えられることは何もない」と感じていたんです。

幹部候補を育成すると同時に、自分自身が抱えていたその課題感もクリアしたい。そう考えたとき、「誰から学ぶか」を考えると、協働日本の協働プロの皆さんにぜひお願いしたいと思い、このテーマを選びました。

石川メッキ工業株式会社

自分の目標と会社の目標が重なり、生まれた主体性と新たな視点

ーー実際の協働プロジェクトでは、どのような取り組みから始まったのでしょうか。

鴻野: 弊社からは4名がプロジェクトに参加し、協働プロとしては藤村昌平さん(協働日本CSO)と有田一真さんに入っていただきました。

最初は全員参加のワークショップ形式でスタートし、途中から個別セッションを組み合わせる形で進めていきました。

ワークショップでは、「会社とは何か」「その存在意義とは何か」といった根源的な問いから取り組みました。
私は社長である父の背中を見て育ったこともあり、仕事とは「誰かのために働くこと」、どれだけ汗をかき、働くかが重要だという価値観を持っていました。

一方で、メンバーにとって仕事は、「家族を幸せにするためのもの」、いわゆる“ライスワーク”として捉えられており、これまで会社の存在意義について深く考える機会はほとんどなかったと思います。

「石川メッキ工業は、どんな人たちの集まりなのか」「どうすれば組織として存続していけるのか」といった多角的な問いを通じて、それぞれが改めて会社や仕事の意義に向き合ってくれたと感じています。

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