キリンHD 国際宇宙ステーションで袋型培養槽技術の実証を実施

宇宙航空研究開発機構(JAXA)、竹中工務店、キリン、千葉大学、東京理科大学は、世界初となる宇宙での袋型培養槽技術の実証実験を、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟内で実施した。2021年10月22日に発表した。将来の月探査などでの長期宇宙滞在時における食料生産に向けた技術実証を目的としたものだ。

5者はJAXA 宇宙探査イノベーションハブの共同研究提案公募の枠組みの下、2017年から宇宙での適用も想定した袋型培養槽技術の共同研究を行ってきた。この技術を用いた栽培方式は、密閉した袋内で植物を栽培するため、雑菌の混入を防ぎ、臭気発生がなく、サイズもコンパクトだ。

今回の実験は、2021年8月27日から10月13日までの48日間行い、期間中に培養液の供給及び空気交換を行い、生育の促進を図った。9月10日にはレタスの本葉を確認、その後も順調な生育を続け、収穫に至った。

今後は、生育したレタスと培養液、生育の様子を撮影した記録を回収し、宇宙での適用可能性や栽培方式の優位性を評価する。育ったレタスに食品衛生上の問題がないかの確認や、栽培後の培養液を分析し環境制御・生命維持システムで再利用処理が可能かについても確認していく予定だ。

Spacelettuce