社会課題の解決と産業発展の両立へ 第25回Japan Venture Awards(JVA)表彰式を開催
第25回Japan Venture Awards(JVA)表彰式が2025年12月18日、東京・虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催された。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が主催する本アワードは、志高く、将来性・成長性を備えたベンチャー企業の経営者や、スタートアップの成長を支えるベンチャーキャピタリストを顕彰する、日本有数の表彰制度である。25回目の節目となる今回は、社会課題の解決と産業の発展を両立させる挑戦者たちが一堂に会し、会場とオンラインを併用したハイブリッド形式で実施。多くの関係者がその動向を注視した。

VC×トークセッションの様子。2組のVCと投資先のクロストークにより、構想から今日までのリアリティある対話がなされた。
オープニングキーノートには、株式会社アクセルスペースホールディングス代表取締役の中村友哉氏が登壇。「Space within Your Reach ~宇宙を普通の場所に~」をテーマに、宇宙ビジネスのスタートアップとしてIPOを果たした軌跡を語った。研究者としての原点から、起業、事業化、そして上場に至るまでの歩みを振り返りつつ、宇宙を特別な存在ではなく、社会や産業にとって身近なインフラへと転換していく挑戦のリアルが共有された。
続く「VC×投資先トークセッション」では、SBIインベストメント株式会社およびインキュベイトファンド株式会社のキャピタリストと、その投資先企業の経営者が登壇。投資判断の背景や成長局面におけるハンズオン支援の在り方、困難な局面をいかに乗り越えてきたかなど、VCと起業家のパートナーシップの実像が具体的なエピソードを交えて披露された。単なる資金提供に留まらない「伴走者」としての関係性の重要性が浮き彫りとなり、聴衆に深い示唆を与えた。
後半には、ノミネートされた起業家やベンチャーキャピタリストによるピッチが行われ、各分野の最前線で挑戦を続けるビジョンが語られた。続く表彰セレモニーでは、最高賞である「経済産業大臣賞」をはじめ、「科学技術政策担当大臣賞」「中小企業庁長官賞」などが授与され、革新的な取り組みとその社会的意義が広く称えられた。また、会場内のマッチングラウンジでは、登壇者や参加者同士による活発な交流が行われた。
本表彰式は、日本のスタートアップの「現在地」を提示すると同時に、次代の成長と社会実装への期待を象徴する場となった。日本のスタートアップ・エコシステムが着実に広がり、成熟段階へと進みつつあることを強く印象づける一日となった。