地域から世界へ、いち早く乗り出した2つのラーメン企業
ラーメンは、今や寿司やそばと並んで日本食の代名詞ともいえる。世界に進出する国内ブランドも多く、現地の文化や志向を反映する味の多様化も進んでいる。ラーメンがグローバルフードとなるなか、いち早く世界の市場に目を向けてきた国内企業もある。たとえば福岡県田川市を本拠とするワイエスフードや石川県金沢市を本拠とするハチバンは、首都圏などへの進出と平行するように、アジアなど海外への展開に早くから力点を置き、成長してきた。
ワイエスフードは、1970年、創業者が福岡県の香春(かわら)町に開業した「ラーメンセンター山小屋」を母体とし、1994年に法人化してフランチャイズチェーン(FC)展開を開始した。創業当時の店舗外観に由来する「山小屋」の名は、今日、主力ブランドの「九州筑豊ラーメン山小屋」の名称に受け継がれ、現在、九州に52店、中国・四国に14店、関東に3店が展開されている。
全店舗数109店のうち海外は25店で、2008年にタイで「九州筑豊ラーメンばさらか」を開業して以降、中国深圳、台湾、フィリピン、マレーシアなどへの出店を加速している。今年(2025年)、かねて交渉中だったカリフォルニアの「Tajima Ramen」買収を断念して北米進出は仕切り直しとなり、経済成長著しいインドネシアやタイなどへの出店戦略を再度強化しつつある。一方、日清製粉と共同で高食物繊維小麦粉を開発、人気メニューに採用するなど健康志向への対応も積極的に進める。目指すのは「世界中を食の輪(WA)で繫げるプラットフォーマー」だ。
一方、ハチバンの創業は1967年。石川県加賀市の国道沿いに「8番ラーメン」を開業し、同年FC1号店も開店している。1980年代にかけてタレや餃子、煮豚、スープの工場を次々と新設、全店に供給する仕組みを整備し、金沢市を中心にFCを拡大していった。現在、「8番らーめん」を主力ブランドに、居酒屋「八兆屋」など和食店舗も含めて国内123店舗、海外172店舗を展開する。
1992年、タイ・バンコクのショッピングセンターに海外1号店を開業して以降、タイ国内を中心に店舗を拡大し、2006年には最大200店舗に食材を供給できるセントラルキッチンを開設、2019年には倉庫物流機能を持つ配送センターも稼働を開始した。同年にはベトナム1号店もオープンして、現在ホーチミン市で3店を展開、今年はカンボジア進出も開始し、タイのセントラルキッチンを活用する計画だ。国内では全国300店舗達成を目指し、北陸エリア以外での地域の食文化に合わせた新規出店、和食部門でのFC展開も見据えている。
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