公共交通とデマンド交通を組み合わせ、地域ニーズに応じたMaaSを提供
乗換案内サービスを提供する駅探が、現在進める「地域マーケティングプラットフォーム構想」。その一環として、公共交通とデマンド交通を組み合わせた新サービスを開発し、地域交通の課題解決に取り組んでいる。
北海道江差町で実証実験開始
「鉄道駅やバスの停留所、MaaS基地などの様々なStationを基点に、地域課題をふまえた『世の中にない新しいサービスを作り出して社会の役に立つ』というビジョンを実践するのが、地域マーケティングプラットフォーム構想です」と駅探取締役の小柳智晃氏は語る。その布石として、同社は公共交通とシェアリングサービス、デマンドサービスを組み合わせたMaaS時代の新サービスの開発を進めている。
その取り組みの一つが、北海道江差町における、過疎地域の交通難民問題の解決と地域交通の維持・活性化を目的とした収益循環モデル「江差マース」の実証実験だ。江差マースでは、複数の利用者の需要に合わせ、AIがリアルタイムでジャンボタクシーのルートを最適化するデマンド交通配車サービスを導入し、他の公共交通機関との連携を図っている。同社は、江差町から「コールセンターは人件費がかさむ」との悩みを聞き、スマホアプリを使った予約配車システムに加え、電話による自動音声予約システムを提案した。
図1 江差マースのサービスの仕組み
「電話予約システムはスマホに慣れていない方にも使っていただくことができ、サービスの利用促進に微力ですが貢献できました。『黒電話でも予約できてよかった』という声も頂戴でき、当社としてはそういったより多くの声に耳を傾け、形にしていくことが社会貢献につながると考えております」
また、ドラッグストアを展開するサツドラホールディングスでは、地域オリジナルのポイントカードを発行している。加盟店を江差マースの情報拠点とし、そこで買い物をすると金額の0.2%が還元される仕組みだ。店舗収益の一部を江差マースの運営費に充てる収益循環モデルの構築を目指している。
図2 店舗収益の一部を江差マースの運営費に充てる収益循環モデル
MaaS実現を支援する新サービス
駅探はこの他に、観光型MaaSのサポートも行ってきた。例えば、富山県射水市では趣味や嗜好から周遊ルートを提案する旅程検索サービス、長野県小諸市では観光施設の巡回ルート提案サービスなどを提供している。
「これらのノウハウを活かし、地方自治体などを対象に、MaaS実現の基盤となる新サービスとして今年開始したのが『駅探MaaSソリューション』です。高齢者に優しい音声入力型配車予約や、趣味・嗜好に応じたエリア内周遊ルートの提案、公共交通とデマンド交通を組み合わせた効率的な乗換・ルート案内などが提供可能です」
経済産業省・国土交通省の採択を受け、この10月から来年1月にかけて行う江差町の実証実験では、対象エリア拡大とともに、LINEアプリの活用で、さらなる使いやすさの向上を目指す。
「今後は、標準機能をもとに必要なサービスを加えながら、地域型・観光型を問わず、地域課題に合わせたソリューションを提供していきます」
図3 都市OSの全体像
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広報担当:鎌田
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