積み重ねで、外部連携を実現/日本政策投資銀行・iHub 

企業が新規事業創出に取り組むためのコミュニケーションの場「iHub」。イノベーションを通じた事業化の支援を目指し、日本政策投資銀行が提供している。企業、地域、大学など、多様な連携により生み出された事業の成り立ちを紹介する。

 

新規事業開発のポイント

粘り強い継続が、コラボレーションを積み重ね、事業を支える外部連携を実現する

 

前回は、ロート製薬の新規事業Paletasのケースから「個人を超えた『目的』を目指した行動を起こすと、社内から事業実現に必要なリソースが集まる」という視点が得られた。

今回は、日本政策投資銀行の島裕氏による、企業が新規事業創出に取り組むためのコミュニケーションの場を提供するiHub(大手町イノベーション・ハブ)事業を紹介し、同時に「社会価値を組み込んだ新規事業開発」を起こすための要点を見出していく。

金融機関が生み出す共創の場

日本政策投資銀行の技術事業化支援センターでは、2013年4月から、大手町イノベーション・ハブを中心とした「共創から各企業が新しい事業を立ち上げる」iHub事業に取り組んでいる。iHub事業では、組織内にいるとイノベーションを起こす挑戦がリスクにしかならないと感じる「マインドセットの問題」と、組織の中で仕事をするうちに専門特化してしまい俯瞰的に大きなビジョンが描けなくなってしまう「視野の問題」という2つのボトルネックを解消し、技術を持った企業が新しい事業を生み出すためのコミュニケーションの場を提供している。

2012年に経済産業省が行ったアンケート調査では、回答した330社のうち78.2%の企業が「自社の新規事業創造の状況に満足していない」と答えた。一方で、330社のうち56.4%の企業が「自社内に新規事業創造を牽引する人材がいる」と答え、同時にそのうちの半数以上が「自社内に人材がいるものの活用できていない」と答えている(「新しい事業を構想・創造する人材を輩出する仕組みを考える研究会」報告書より)。新規事業創造の必要性が高まる中で、抽象的なイノベーション論ではなく、より具体的な社内人材を活用するための方法や仕組みづくりが求められている。

iHub事業では、オープン・イノベーションにより、新たな「可能性」を創り出すことを目的としている。慶應義塾大学大学院SDM研究科が提唱するシステム×デザイン思考によるオープンな協創の方法論、多摩大学大学院の紺野登教授が提唱するフューチャーセンター、イノベーションセンター、リビングラボによる知識創造の方法論などを基盤に、日本政策投資銀行が金融機関として持つ異業種のネットワークを活かし、新しい事業アイデアの創出や新たな事業につながる発想力の強化に取り組む。

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