メーカーとの提携による商品販売ビジネスの法務ポイント
ひとえに「提携」と言っても、様々な形態がある。合弁会社などの大規模なものから、既存の会社や事業はそのままで、他社と提携する場合などである。今回は、メーカーと提携して、商品を販売していく形態のビジネスを始めるにあたり、法務的に重要なポイントを取り上げる。
どのような契約関係にするか?
まず、最初に、メーカーとの契約関係をどのようにするかという論点がある。一般的には、(1)メーカーから商品を仕入れ、仕入れた商品を顧客に販売するという形態と、(2)商品の売買はメーカーと顧客との間でのもので、あくまでメーカーの代理店として行動するという形態の2種類がある。
(1)の形態の場合には、仕入れた商品の販売価格を、販売店が自社で決定することができるというメリットはあるが、他方で、仕入れた商品は在庫として抱えることとなり、顧客からの代金の回収は販売店のリスクで行わなければならない。 また、顧客からの商品に関するクレームは、顧客への売主として対応する必要が出てくる。
他方で、(2)の形態の場合には、商品の売買を行っているのは、あくまでメーカーであるから、売買価格の決定、代金の回収、顧客からの商品に関するクレームは売主であるメーカーが行うことになる。
以上の大きな枠組みをどうするかということは、最初の出発点となる。
独占か非独占か?
契約期間中、メーカーから調達した商品を市場で販売できるのが、販売店のみなのか、他社も販売できるのかどうかは、ビジネスを始めるにあたり重要なポイントとなる場合があろう。
もし自社だけが独占的にメーカーから仕入れた商品を市場で販売できるという条件で合意したのであれば、その旨を契約書に明記しておく必要がある。さらには、他社のみならず、メーカー自身も直接顧客に対する販売をできないという内容にするのであれば、その旨も契約書に明記しておく必要がある。
また、独占の範囲を特定の地域に限定する方法もある。そのような限定を付する場合には、その特定の地域を契約書で明記しておくべきである。
全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。
-
記事本文残り75%
月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!
初月無料トライアル!
- 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
- バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
- フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。