規格外の起業家 イーロン・マスク
21世紀最大の起業家、スティーブ・ジョブズを凌ぐイノベーター、桁外れの野心家、etc...イーロン・マスクを表す言葉はどれもスケールの大きさを感じさせる。だがその裏側に潜む繊細で堅実な側面もまたイーロンの魅力に他ならない。
Text by 五味明子(ITジャーナリスト)
ネット決済の仕組みを根底から変えたPayPal、電気自動車を憧れの存在にしたTesla Morotors、世界初の民間宇宙ロケット開発事業を行うSpaceX、太陽エネルギーの発電装置などを開発/販売するSolarCityなど、イーロン・マスクが手がけた企業はどれもこれも、生涯をかけて取り組むような巨大なスケールの事業内容ばかりだ。
ひとつでも成功させることができれば起業家として大きな評価を得られるはずである。だが、イーロンは過去の成功体験に胡坐をかくことなく、現在は太陽電池で駆動する次世代交通システム「ハイパーループ(Hyperloop)」の設計に余念がない。
サンフランシスコ―ロサンゼルス間を30分で結ぶハイパールーフはチューブ(管)の中をポッド(車体)が移動する仕組みで、現実が近未来の世界に追い付いてきたことを実感させる。
世界を変える事業、というよりも人類の未来を変える可能性をもつ事業を次々と成功に導き、なおも挑戦を続けるイーロン・マスク。天才経営者、果てしない野心家、21世紀最大の起業家、スティーブ・ジョブズを超える存在、「アイアンマン」の実在モデルなど、彼を形容する言葉はいずれも超人的でアグレッシブさを感じさせるものが並ぶ。実際、イーロンがたどってきた軌跡を振り返れば、それらの言葉は妥当ともいえる。
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