2014年1月号

MPDサロンスピーチ

宇宙システムでサービス創出

神武直彦(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科准教授)

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サロンスピーチに登壇した神武准教授は、宇宙システムによるイノベーションを生み出すうえで、日本は主役になる可能性を秘めていると語る。

私は、震災や洪水などの自然災害、交通渋滞や大気汚染など、大規模かつ複雑で定期的に生じる課題の解決のために、人工衛星のような宇宙システムとクラウドコンピュータや携帯電話などの地上のシステムを適切に連携させることで、様々な革新的なサービスを創出することができると考えています。

宇宙システムの可能性を語る神武准教授

しかし現在、こうした宇宙システムを利用したサービスは限定的で、これから様々なイノベーションが創出される可能性があると思います。

ここで強調したいことは、イノベーション創出において、まず注目すべき点は、宇宙システムの仕組みや、そこで得られるデータのみならず、サービスを利用するユーザーが直面している課題やその周囲の環境や文化だということです。アジア各国の市民が直面している課題や環境は様々です。例えば、ミャンマーなどでは識字率が低い地域がありますので、そのような地域に文字で災害情報を完璧に伝えられたとしてもそれだけでは十分ではなく、文字以外で情報を伝達する仕組みとセットでシステムを実現する必要があります。

宇宙システムによるイノベーション創出にあたり、宇宙システムを理解し、地上の様々なシステムやデータも扱えつつ、ソーシャルなシステムも理解して俯瞰的に課題を発見して解決方法をデザインできる人材が求められています。それら全てを理解し、扱うことのできる人材はそれほど多くありません。

また、日本は、既に様々な社会インフラが整備されているため、それが現代の社会課題を解決するには不十分であったとしても、新しいシステムや仕組みを導入するには様々な段取りが必要になることがあります。

一方、社会インフラが十分に整備されていないアジアにおいては、ないよりはまし、という感覚で宇宙システムをすぐに受け入れる環境にある国が少なくありません。そのため、そのような国々で様々な実績をつくり、それらを逆輸入して日本を良くするという発想も重要です。そう考えると、宇宙システムで革新的なサービスを創出する余地は、世界中の様々なところに存在し、日本は、その主役になる可能性を秘めていると考えています。

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