「めぐり美人プロジェクト」にみる 新しい産学連携のかたち

事業構想大学院大学に通う2人の院生が議論する中で新たなプロジェクトが生まれた。聖心女子大学と大正製薬が連携し、大学オリジナル商品の開発を行う企画だ。座学だけでは学べない経験に、今夏希望に満ちた9名の女子学生が挑戦している。

前例のない試みに挑戦

「めぐり美人」に関するさまざまな情報を聞き、アイデアを練るメンバーたち

大正製薬は次世代に向けた課題の一つとして「健康と美」に取り組んでいる。代表的な商品に美容サポート飲料の「密」、「めぐり美人」があり、美容領域においても確固たる存在感を得ることを目指している。しかしながら、100周年超の歴史を持つ同社の実績、伝統、ブランドイメージを守りながら、新領域で成功するには、多種多様な壁が存在する。同社の新規事業開発部門を率いる、事業構想大学院大学一期生の森下章広さんは、「これまでにないやり方で、突破口を見出せないか」と思考していた。

大学対象のキャリア教育の専門家であり、本学で共に学ぶ岡崎人事コンサルタントの岡崎浩二さんと議論をする中で、聖心女子大学と組んで「めぐり美人」のパッケージ開発を行うアイデアがひらめき、企画が動き出した。

昨今、大学と企業が連携してイベントを実施したり、新企画商品を開発したりするケースは珍しくない。ただ、それが表層的なものや話題先行で終わってはもったいない。やるからには、丁寧に綿密に構想を進めながら、関わる人と組織の全てが、確実な手応えと成果が得られるようにしたい。