震災の集団移転跡地が巨大観光果樹園に オープンは2020年度末予定

 

JR東日本グループの仙台ターミナルビル(仙台市)は、仙台市が募集した仙台市荒浜地区の集団移転跡地の利活用候補事業者として選ばれたこと、同地に体験型観光果樹園の整備を計画していることを2018年4月26日に発表した。東日本大震災により住民が移転した仙台市荒浜地区の11ヘクタールの土地を、年間を通じてフルーツ狩りが楽しめる施設として再開発する。

 

同社は、2016年4月から仙台市農業園芸センター再整備事業に参画し、「せんだい農業園芸センター みどりの杜」で果物栽培の技術を蓄積してきた。今回の計画では、ブルーベリー、ブドウ、イチジク、梨、リンゴ、キウイ、スグリ類、イチゴの栽培を計画している。冬はイチゴ、夏はブルーベリーを中心に、一年中フルーツ狩りができる観光果樹園として整備する計画。仙台市近郊だけでなく、県外や海外からも観光客を惹きつけることを目指す。また、近隣の農業振興や六次産業化を図るため、地元周辺農家の野菜販売や、ジャム作り体験の提供、地産地消を意識したレストランや、ジュース・ジェラートの販売なども計画している。施設整備と共に、2019年度にも果樹や苗の定植を開始し、2020年末にはイチゴハウスの営業を開始する。

 

JR東日本グループでは、JRとまとランドいわきファームとJR新潟ファーム、JRアグリ仙台が農業生産を開始している。今回の体験型大規模観光果樹園は、これらと比べても大規模で、JR東日本グループとしての農業事業を拡大するものとなる。事業展開では、仙台支社・首都圏のグループ各社と、鉄道ネットワークを活用して、農産物などの販路拡大・商品開発を実施するとともに、体験型旅行商品を販売していく。

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