東急不動産、米VCと渋谷にスタートアップ向け貸オフィスを開設

東急不動産は、Plug and Play 社と協力して、スタートアップ向けのシェアオフィス「Plug and Play Shibuya powered by東急不動産」を2017年11月1日に渋谷区道玄坂に開設する。起業したばかりの会社への支援と、インフラを提供することで、渋谷での起業を促進する。

同シェアオフィスでは、スタートアップ企業と、既存の大企業のコラボレーションを進める。同時に、入居しているスタートアップ同士の協力関係が生まれることも期待している。東急不動産が丸の内や品川で運営しているシェアオフィス・サテライトオフィスである「ビジネスエアポート」と比べると、利用料は低めに設定した。

Plug and Play社はアーリーステージのベンチャー企業への投資と、経営の支援を実施している企業。本社はシリコンバレーにあり、欧州や中国、シンガポールなどにはすでに進出している。年200社程度のスタートアップ企業に、シードステージの資金1000万円ほどを投資し、経営を支援するスタイルを取っている。投資先の起業には、既存の大企業を紹介し、コラボレーションにつなげる。

今回、日本法人の本社を渋谷に置き、日本でベンチャー支援事業を開始することとなった。同社の支援プログラムに参加するスタートアップ企業は、プログラム期間の3カ月は、無料でシェアオフィスを利用できる他、シリコンバレーで事業を紹介する機会を与えられる。

11月には、日本での最初のプログラムに参加する20社ほどのスタートアップ企業が、シェアオフィスで活動を始めることになる。この20社は、Plug and Play社の投資先となっている企業から、日本への進出を希望している企業や、日本企業と協力している企業が中心となる。

また、生体認証などのビジネスを手掛けるベンチャー企業のLiquid(関連記事、月刊事業構想2016年8月号)も、入居を決めた。同社の指紋認証システムが、シェアオフィスには導入されている。Liquidは現在、丸の内に本社を置き、イオン銀行やJTBコーポレートサービスなどと共同で事業を進めている。渋谷のオフィスには、周辺のアパレル企業や、スタートアップとの連携が期待できそうなビジネスの担当チームを移す。

Plug and Play社では、2018年春からは、アグリテック、モビリティ、流通などの事業テーマごとにスタートアップ企業を募集し、支援プログラムを始める計画だ。

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右から、Plug and Play JapanのPhillip Seiji Vincent代表取締役、東急不動産取締役専務執行役員都市事業ユニット長・岡田正志氏、Liquidの久田康弘・代表取締役、東急不動産都市事業ユニット事業戦略部の黒川泰宏・統括部長