生成AIで新事業を創出 旭光電機の実践に学ぶ近畿経産局ワイガヤ会議
(※本記事は経済産業省近畿経済産業局が運営する「公式Note」に2026年8月31日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

こんにちは! 近畿経済産業局 地域未来投資促進室です!
令和8年8月5日に ワイガヤ会議(生成AIによる新事業展開編) を開催しましたので、そのご報告と事業のご紹介をいたします。
ワイガヤ会議とは
ワイガヤ会議は、毎回ひとつのテーマを設定し、先進的な事例や実践企業から学びながら、経営者同士が“ワイワイガヤガヤ”と自由闊達に議論する場です。
企業同士のネットワーク形成はもちろん、新たな協業や事業創出のきっかけづくりを目的として開催しています。
今回のワイガヤ会議は、「生成AIによる新事業展開」をテーマに開催しました。
近年、生成AIは急速な進化を続けており、業務効率化のみならず、新たな製品・サービスの創出やビジネスモデルの変革にも活用され始めています。
一方で、「生成AIを自社事業にどのように結び付ければよいのか」「新規事業につなげるには何から始めればよいのか」と悩む企業も少なくありません。
そこで今回は、実際に生成AIを活用した新事業開発に取り組む旭光電機株式会社の和田社長にお話を伺いました。
さらに、本イベントは旭光電機株式会社と神戸市の協力のもと、Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBEで開催しました。
Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBEとは
Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBEは、生成AIを活用した新たな価値の創出と、次世代人材の育成を目的とし、川崎重工株式会社、神戸市、神戸大学によって運営されている産官学連携による共創施設です。
本施設の特徴は、企業のエンジニアとMicrosoftのエンジニアが協働し、短期集中で技術開発に取り組める点にあります。企業が主体となって技術開発を進めながら、Microsoftの技術的知見も活用できる共創の場として、多くの企業に利用されています。
イベントの冒頭では、神戸市担当者の案内のもと施設見学ツアーを実施しました。
施設内には利用企業による成果物が展示されており、生成AIを活用した様々な技術開発や新事業の事例について、実演や映像を交えながら紹介いただきました。


旭光電機株式会社による生成AIを活用した新事業展開
施設見学の後は、旭光電機株式会社和田社長より、生成AIを活用した新事業をご紹介いただきました。

旭光電機株式会社は、自動ドア、鉄道、船舶等に関する分野で、センシング・コントロール・無線通信ネットワーク技術力を活用した製品を開発しています。さらに、近年では自社のセンシング技術と生成AIを融合した新事業「次世代エントランス監視システム」を展開しています。
同システムでは、自動ドアに設置したカメラから得られる情報を生成AIによってテキストデータ化することで、施設利用の傾向やイベント開催時の来訪状況などを分析しやすくすることが可能になります。これは、既存の自社技術と生成AIを組み合わせることで、新たな付加価値を創出する取組の一例です。
また、旭光電機株式会社は本システム開発にあたりMicrosoft AI Co-Innovation Lab KOBEを活用し、短期間での技術開発を実現しました。さらに神戸市とも連携し、市内の商業施設等において実証実験を進めるなど、開発から実装・検証までをスピーディーに展開されています。
旭光電機株式会社

旭光電機株式会社は設立1952年。年商68億円(2025年11月期末)。社員数225名。産業用電装品や各種センサ、エッジIoT機器の設計・製造・販売を行う技術集約型メーカーです。
東海道山陽新幹線向け自動ドアセンサでシェア100%を始めとする、鉄道や大型船舶向け電装品など交通分野での長年の実績、ビルフロントトップシェアの自動ドア用センサ及びコントローラなど、産業界で培った高い品質管理と信頼性を基盤に、2021年から第2創業として自社ブランドのDX商品を展開しています。
設備別積算電力やCO2可視化の「wattXplorer」、既設設備をIoT化する「SmartFitPro」シリーズ(40万台受注)など、現場で使えるソリューションを提供しています。
また、モノ+サービスをワンストップでカバーすべくサービスブランド「Lumiot」を提供。エッジ+クラウドの連携により現場でのデータ処理と迅速な改善を実現。さらに、第4次産業を担うロボット・AI・IoTを融合する「RobAIoT」戦略で脱炭素や生産性向上に貢献しています。
試作から量産、導入後の運用まで一貫したサポート体制を整え、中小企業から自治体、大手事業者まで幅広く採用されています。導入前の現地計測・効果検証、運用改善のための運用支援サービス、定期保守とリモート監視、専用ソフトウェアのカスタム開発に対応し、導入効果を最大化。Microsoftなど大手企業や自治体、大学研究機関と連携して生成AIの実用化を進めており、ASEANなど海外展開も積極的に推進。品質・安全・環境の各基準に準拠した設計で、長期的な信頼性とコスト最適化を両立。地域と共に成長する企業を目指します。
経営者同士による意見交換
会議の後半では、参加者同士による意見交換を実施しました。

冒頭では、「生成AIを活用した新事業展開について、自社は現在どの段階にあるか」をテーマに議論を行いました。
参加企業からは、「業務効率化のための活用は進んでいるものの、新規事業への活用はこれから検討していきたい」「自社技術と生成AIをどのように結び付ければよいか模索している」といった声が多く聞かれ、生成AIを活用した新事業創出への関心の高さがうかがえました。
また、AI導入における自社の課題という話題に対しては、「AIを積極的に使う人と使わない人の差が大きく、AI活用が全社的に浸透しない」「AI活用による変化に対する抵抗感」等、参加者の多くが「人」に関する課題を挙げました。
この課題に対して、和田社長からは「生成AIをまずは毎日使ってもらうことが重要。最初は効率が上がらなくても、継続的な利用によって使い方が身につき、徐々に活用レベルが向上していく」という考え方が示されました。
他に、意見交換内では「生成AIを活用するための情報化の重要性」「生成AIが発達しても人間にしかできない仕事」「生成AIのセキュリティ問題」等の話題が挙がりました。
和田社長に対する質問の中で、ユニークなところでは「一緒にお酒を飲むならどの生成AI?」という質問も上がりました。
(ちなみに、和田社長のお答えはClaude Fableでした。)
おわりに
生成AIは、業務効率化だけでなく、新たな製品やサービスの創出、自社技術の高度化など、様々な可能性を秘めています。
今回のワイガヤ会議では、実際に新事業へ取り組む企業の経験を共有いただくとともに、参加企業同士がそれぞれの課題や可能性について率直に議論しました。
今後も近畿経済産業局では、企業の成長や新事業創出につながる交流・学びの場として、ワイガヤ会議を開催していきます。
ご協力いただいた旭光電機株式会社、神戸市、Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBE関係者の皆様、ご参加いただいた企業の皆様、ありがとうございました!
ワイガヤ会議(生成AIによる新事業展開編)
参加企業一覧(50音順)
伊福精密株式会社
大塚産業マテリアル株式会社
川村義肢株式会社
旭光電機株式会社
錦城護謨株式会社
株式会社クロセ
サンテクノス株式会社
大和鋼業株式会社
東海バネ工業株式会社
日本精機宝石工業株式会社
日本ワヰコ株式会社
原馬化成株式会社
フィラーシステムズ株式会社
丸楽紙業株式会社
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